著者
月永 一郎
出版者
日本臨床皮膚科医会
雑誌
日本臨床皮膚科医会雑誌 = Journal of the Japan Organization of Clinical Dermatologists (ISSN:13497758)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.8-11, 2007-01-15
参考文献数
9

当院の1ヶ月外来患者数964名のうち、イボの患者は40名、約4%。10歳未満が27%、20歳未満が17%であわせて50%弱である。治療内容は液体窒素による凍結療法が62%、モノクロロ酢酸が23%、サリチル酸と凍結療法が15%であった。治療期間を見てみると、1ヶ月以内が29%、3ヶ月以内が15%、1年以上は8%であった。<br>イボ治療は1960年代に凍結療法、1970年代にブレオ局注、グルタールアルデヒド、5FU外用、DNCB感作療法などがあり、1980年代に入って、レーザー治療などが導入されている。「痛くない」治療は、1970年代から検討されはじめているといってよい。その中にはグルタール、モノクロロ酢酸、5FU、DNCBを用いた接触免疫療法がある。<br>従来当院で行っていたグルタールは取り扱いに注意を要するため代わる治療として、モノクロロ酢酸を使用して週1回通院治療をして比較的良好な結果を得ている。腐食後厚くなった皮膚を削いだ時の疼痛以外大きなトラブルはない。「痛くない」治療としては最近ビタミンD3外用なども行われている。(オンラインのみ掲載)
著者
伊藤 雅章
出版者
Japan Organization of Clinical Dermatologists
雑誌
日本臨床皮膚科医会雑誌 = Journal of the Japan Organization of Clinical Dermatologists (ISSN:13497758)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.221-228, 2007-04-15
参考文献数
34

生下時から思春期までにヒト毛髪は次第に発達するが、以後、男女差や個人差はあるものの、加齢による形態変化を示す。はじめに、毛器官の構造、毛周期のメカニズム、毛髪色の仕組みについて解説した。続いて、毛髪の加齢現象として、壮年性・老人性脱毛症、老人性多毛症および白髪を紹介した。壮年性・老人性脱毛症は男性型脱毛症と同様のものとされ、頭頂~前頭の軟毛化が起こり、男性ホルモンと毛乳頭細胞の働きが重要とみられている。一方、とくに男性では、逆に、加齢とともに眉毛、髭、耳毛、鼻毛が多毛になる。白髪は、毛母メラノサイトの機能低下ないし脱落によるが、近年、メラノサイト幹細胞の分化・増殖の問題が議論されている。(オンラインのみ掲載)