著者
山田 俊治
出版者
日本豚病研究会
雑誌
日本豚病研究会報 = Proceedings of the Japanese Pig Veterinary Society (ISSN:09143017)
巻号頁・発行日
no.52, pp.22-28, 2008-02-01
参考文献数
7

養豚界での最大の疾病である豚コレラは、平成18年3月31日の農林水産大臣による「豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針」の公表によって予防的ワクチンが事実上禁止され、国際獣疫事務局(OIE)規定に基づき翌平成19年4月1日に豚コレラ清浄国となった。本稿ではオーエスキー病の特徴を改めて述べつつオーエスキー病の現状を紹介し、生産関係者を含め養豚に関わる方々に対して本病撲滅の意義をイメージしていただければ幸いである。
著者
井上 剛光 岸 雅恵
出版者
日本豚病研究会
雑誌
日本豚病研究会報 = Proceedings of the Japanese Pig Veterinary Society (ISSN:09143017)
巻号頁・発行日
no.53, pp.21-25, 2008-08-01

Fort Dodge Animal Health社Suvaxyn(R) PCV2 One Doseの海外における評価成績。Suvaxyn(R)PCV2 One Doseは2種類の関連した豚サーコウイルスを用いて特異的に作製されたワクチンである。野外の大部分の豚は、豚サーコウイルスタイプ1(PCV1)およびタイプ2(PCV2)の両方に自然感染する。PCV1は20年以上前に分離され、豚では非病原性であることが知られている。一方、PCV2は引き金になる関連因子(重感染またはある種の免疫刺激のような)が組み合わさると、重篤な症状を引き起こし、感染豚の免疫機能の低下・不全、あるいは死亡をもたらす。非病原性のPCV1と病原性の強いPCV2は高い遺伝的相同性(ヌクレオチド配列)を有しており、ゲノム構造の約75%を共有することが明らかにされている。この高い遺伝的相同性により、両ウイルスはキメラウイルス構築に際して理想的な構成要素となる。