著者
青木 稔弥 青田 寿美 神林 尚子 北村 啓子 木戸 雄一 ロバート キャンベル 小林 実 佐々木 亨 佐藤 至子 高木 元 高橋(山下) 則子 谷川 惠一 中丸 宣明 福井 辰彦 間城 美砂 柳 宗利 山田 俊治 山本 和明
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館 2006年度秋季特別展 仮名垣魯文百覧会展示目録
巻号頁・発行日
pp.1-49, 2006-11-01

平成18年10月17日~11月2日に開催した国文学研究資料館2006年度秋季特別展「仮名垣魯文(ROBUN)百覧会」の展示目録。仮名垣魯文を中心とする、幕末・明治開化期文学に照明を当てたもので、当館が平成10年(1998)に近代部門を設けて以来初めての、関連分野の蒐書展示となる。〈仮名垣魯文(ROBUN)の肖像〉〈江戸の残照〉〈開化の寵児〉〈報道する戯作者〉〈魯文の交友圏〉〈毎日新聞社新屋文庫蔵 魯文関連資料の紹介〉〈その他〉のテーマごとに、7ブロック・13セクションに分けて資料を展示。魯文が生きた波乱と変動の時代を背景に読み込みながら、魯文と同時代戯作者たちの群像を、彼らの文業と共に通覧した。
著者
山田 俊治
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.2-11, 2012-11-10 (Released:2018-01-12)
被引用文献数
1

言文一致小説の成立は、同時代の表現が受容されて新たな文体を生成するという問題にとって欠かすことのできない課題である。口語体による書記言語の書物を実現した三遊亭円朝の速記本を受容することで、坪内逍遙以下によって通俗的な読み物を美術小説に転ずる努力がなされた。逍遙の傍観的な語り手の試みから、二葉亭四迷の同化表現による語り手の消去、山田美妙による修辞的な物語叙述などが試みられ、言文一致体小説は美術小説としての卓越性を獲得していった。そして、円朝速記本はその起源と見なされるようになるのである。
著者
山田 俊治
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.40-51, 1984-12-10 (Released:2017-08-01)

作家が文壇という関係構造の内で認知される仕方には、作品それ自身のインパクトの他にも、様々な要因が考えられるであろう。この論稿では、有島武郎の文壇登場時の問題として、「平凡人の手紙」が引き起した論争を、当時の文学情況を踏まえ、文献を通して考察してみた。とりわけ、その論争が批評の方法をめぐる論議へと発展していく点に注目し、大正六年前後の批評観の諸相を点検して、批評が自立した営為として思考されるようになる過程の一端にも触れた。このことで、論争を有島の個人史から把握するのではなく、彼を受け入れた側の集団的な幻想の問題として措定できたのではないかと思う。
著者
山田 俊治
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-13, 1991

『書生気質』では様々な戯作の趣向が再生させられている。小町田の来歴を語る第二回や、兄妹再会が言祝がれる大団円などで、会話中に示されるべきストーリーが地の文に転換されて語られる趣向もその一つで、『梅児誉美』に見出せるのである。しかし、その手法に対する認識には、彼我に異質な方法意識を読み取ることができる。両者の差異を、テクスト外の言表行為の主体である<作者>の問題として捉え、具体的に考察しようと思う。
著者
清水 実嗣 山田 俊治 村上 洋介 両角 徹雄 小林 秀樹 三谷 賢治 伊東 伸宜 久保 正法 木村 久美子 小林 勝 山本 孝史 三浦 康男 山本 輝次 渡辺 一夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.389-391, 1994-04-15
被引用文献数
31

ヘコヘコ病発病豚の病原学的検索を行った.その結果,血清と肺よりPRRS ウイルスが,また肺よりMycoplasma hyorhinis(Mhr)が高率に分離された.無菌豚に分離ウイルスChiba92-1株を接種したところ,全葉性の増殖性間質性肺炎が再現され,ウイルスが長期間回収された.肺炎はMhrとの重感染例において重度化する傾向にあった.以上の成績から,わが国にPRRSウイルスが存在し,本病の発生に同ウイルスが関与することが明らかとなった.
著者
山田 俊治
出版者
日本豚病研究会
雑誌
日本豚病研究会報 = Proceedings of the Japanese Pig Veterinary Society (ISSN:09143017)
巻号頁・発行日
no.52, pp.22-28, 2008-02-01
参考文献数
7

養豚界での最大の疾病である豚コレラは、平成18年3月31日の農林水産大臣による「豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針」の公表によって予防的ワクチンが事実上禁止され、国際獣疫事務局(OIE)規定に基づき翌平成19年4月1日に豚コレラ清浄国となった。本稿ではオーエスキー病の特徴を改めて述べつつオーエスキー病の現状を紹介し、生産関係者を含め養豚に関わる方々に対して本病撲滅の意義をイメージしていただければ幸いである。
著者
山田 俊治
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

新聞と文化が接続する問題系を問うことを目的として、「東京日日新聞」の創刊から悉皆調査した結果を年表化することによって、文明開化期と内国勧業博覧会以後との間で絵画評価に落差があることが判明した。それは、「美術」概念を適用することで、文明開化期の写実的な西洋油画一辺倒の評価が、日本画の精神性が評価されるようになる変化であった。そればかりではなく、古典講習科の設置や漢籍の出版など古典回帰と見られる現象も観察できた。