著者
小西 陽平 橋本 直己 中嶋 正之
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 25.32 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.21-26, 2001-04-27 (Released:2017-06-23)

本研究では, CAVEのようなユーザの視点移動に関する自由度の高い没入型ディスプレイを想定し, 観察者がスクリーンを斜めから見る際の奥行き知覚誤差について計測実験を行い, 没入型仮想空間における奥行き知覚特性の分析を行った.その結果, 奥行き知覚誤差には人間の視覚構造やその特性から決まる傾向が存在することを明らかにした.更に, その奥行き知覚特性の分析に基づき, 奥行き知覚誤差を補正する方法を検討した結果, 本研究で提案する補正方法を用いることで, 没入型仮想空間における奥行き知覚誤差を軽減することができた.また, 計測データの存在していない観察点における奥行き知覚誤差を推定することにより, 予め奥行き知覚誤差を補正した没入型仮想空間を構築することができた.