著者
真田 康弘
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.20(第20回環境研究発表会)
巻号頁・発行日
pp.283-288, 2006 (Released:2008-12-02)

商業捕鯨のモラトリアムが初めて提案されたのは、1972年の国連人間環境会議及び国際捕鯨委員会年次会合のことであった。本稿は設立から70年代初めまでのIWCにおける捕鯨規制措置を簡単に振り返りつつ、モラトリアム提案を推進した米国のイニシアティヴと、日本、英国等のIWC主要参加国の対応を検討して、国際監視員制度の実施失敗を直接的契機としてモラトリアム提案を米国政府が提案するに至ったこと、各国政府高官や環境担当官僚に対する極めて積極的な働きかけを通じて提案に対する支持を広げていったこと、同提案に関する交渉の結果捕獲規制の大幅強化と新管理方式が採用されるに至ったこと等を明らかとするものである。
著者
郷倉 久徳 根本 正之 川原 淳
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.20(第20回環境研究発表会)
巻号頁・発行日
pp.111-116, 2006 (Released:2008-12-02)

公園内の生物資源を保護し利活用するためには、画一的な管理では不十分で、立地条件に基づいたきめ細かな管理が必要となる。本研究では国営昭和記念公園で保護の対象となっている野生のネジバナが自生する、管理手法の異なる草地で植生調査を行い、管理が草本群落の構造に及ぼす影響を明らかにした。次に景観上から有用植物とされるネジバナの生活史を調査し、ネジバナの栄養成長期にみられる周辺植生が、光を透過しやすいイネ科雑草であること、また草刈り後の刈草を除去することがネジバナを生育域内で保全する上で重要であることを指摘した。