著者
内藤 勲
出版者
愛知学院大学
雑誌
経営管理研究所紀要 (ISSN:13413821)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.17-34, 2007-12
被引用文献数
1

組織化の問題は,単に新しい組織を形成する際だけでなく,組織を変化させる場合にも考慮すべき理論的問題を多くはらんでいる。本稿では,組織あるいは組織化を構成している最小単位としての行為に注目し,その行為を導き,同時に行為によって形成される知について議論した。単に組織だけでなく,社会現象を考える際の行為概念は,それを導く意図性とその過程と結果を記憶する意識性からなっていること。したがって,知は行為を通じて獲得し,行為を通じて表現される概念であることを指摘した。
著者
津田 秀和
出版者
愛知学院大学
雑誌
経営管理研究所紀要 (ISSN:13413821)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.59-78, 2008-12-25

本稿はインターネットというパーソナルメディアを通じた市民および企業関係者の企業倫理感覚の構築過程を分析するための手法の検討と事例への適用を目的とする。メディア効果理論や間メディア性に関する研究を整理し,東芝クレーマ一事件への適用を試みる。東芝クレーマ一事件では,議題設定機能仮説などの新しい効果理論と呼称される分析モデルが適しているとともに,インターネットメディアと既存のマスメディアの相互参照関係を視野におさめる間メディア性の研究が不可欠である。この指摘は他の同様の事件の解釈と共通の部分が多いが,この事件では,インターネットからマスメディアへの影響が大きく,争点の再構成もマスメディアにおいて行われている点で特徴的である。また,インターネットを通じて争点を構成し,それを実際の企業告発につなげるという点では初期の事例であることから,この事件以降の展開とは異なる特徴を持つ。
著者
松原 敏浩 Masum Mohammad Ali Al
出版者
愛知学院大学
雑誌
経営管理研究所紀要 (ISSN:13413821)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.51-71, 2007-12

本研究の目的は,カリスマ的リーダーシップの両極端であるオーセンティック・リーダーシップとナルシシスティック・リーダーシップの文献展望をすることである。最近リーダーシップ研究に新しい動きが見られるようになった。オーセンティック・リーダーシップの研究である。本研究ではオーセンティック・リーダーシップの概念定義,ポジティブ組織行動との関連性,リーダー・メンバー関係,能力開発などについて論じた。他の一つがナルシシスティック・リーダーシップである。このリーダーシップについても概念定義,測定法,ナルシシスティック・リーダーのパーソナリティ,リーダー・メンバー関係,能力開発について論じた。最後に両理論の問題点と相互の関係についても論じた。