著者
高本 康子 Komoto Yasuko
出版者
群馬大学国際教育・研究センター
雑誌
群馬大学国際教育・研究センター論集 (ISSN:21858209)
巻号頁・発行日
no.11, pp.15-28, 2012-03

昭和戦時期、すなわち満洲事変から1945(昭和20)年の終戦までの昭和期において、日本の外務省、軍部そして仏教各派が、当時「喇教」と呼称されたチベット仏教に対して様々な活動を行っていたことに関しては、現在未調査の部分が大きい。本稿はその中でも、真言宗に注目し、満洲国建国前後に行われた、チベット仏教第二の活仏パンチェンラマとの接触の模様を、中心人物の一人田中清純に焦点をあてて考察する。
著者
園田 智子 Sonoda Tomoko
出版者
群馬大学国際教育・研究センター
雑誌
群馬大学国際教育・研究センター論集 (ISSN:21858209)
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-13, 2014-03

本稿では、日本人が、多国籍の人々とコミュニケートするとき、文化背景の異なりによって、どのような誤解や摩擦が生じるのか、また、どのように反応し対応するのか、その傾向を明らかにし、その典型事例を模索するため、文献研究によって具体的事例を収集、分析することとした。日本人と外国人の間で起こるコンフリクト事例を多様な資料から収集し、人物の関係性及び場面、解決方略、結果等、それぞれの指標を設定して分析した。その結果、場面においては、国内におけるコンフリクトは、海外場面に比べるとビジネス場面及び支援者と外国人の間のコンフリクト場面に偏っていること、また、解決方略に関しては、間接・一方向性が強く、逃避や融通といった自分自身を抑制する方略をとる傾向があることがわかった。しかし、双方向の方略がとられない多くの事例では、コンフリクトの解決に至っていないものが多く、双方向でのなんらかの交渉が重要であることが示唆された。This paper is intended to explain the conflict trends or misunderstanding that occur when Japanese speakers communicate with people of different cultural backgrounds. In order to examine cases of cross-cultural conflict, I have conducted a literature review and an analysis to identify cases of cross-cultural communication conflicts between Japanese and non-Japanese speakers. The data was analyzed and categorized by setting each indicator as follows: relationship between individuals, context/situation, and resolution strategy. As a result of this analysis, it was found that an extremely limited amount of topic-related data is currently available in Japan. Until now, the only contexts that have been investigated are limited to cases that have occurred in the areas of business and volunteering, where interaction between Japanese and non-Japanese takes place. As a resolution strategy, I have found that there is a tendency for an "indirect and unidirectional strategy," (source) leading to an approach of either "escape" or "concession."Consequently, as a result of not choosing a two-way negotiation strategy, it is not possible to reach a conflict resolution.
著者
渡部 孝子 日暮 嘉子 Watanabe Takako Higurashi Yoshiko
出版者
群馬大学国際教育・研究センター
雑誌
群馬大学国際教育・研究センター論集 (ISSN:21858209)
巻号頁・発行日
no.11, pp.29-43, 2012-03

サンディエゴ州立大学と群馬大学教育学部は1973年から交換留学制度を開始し、それ以降、約40年に渡る交流を継続させてきた。しかしながら、これまで受け入れ側の群馬大学におけるプログラムは必ずしも学生のレディネスやニーズを考慮したものを提供してきたわけではない。その要因の一つとして、アメリカの大学で学ぶ日本語学習に関する情報が十分に得られなかったことが挙げられる。そこでサンディエゴ州立大学と群馬大学の交換留学プログラムの担当者が共同で2011年3月にサンディエゴ州立大学日本語プログラムで学ぶ受講生に、第一言語、言語学習経歴、日本語学習の動機等に関するアンケート調査を実施した。調査結果から、調査対象者のほぼ3割が日本語以外に二つ以上の言語を学習していること、「道具的動機」と 好奇心や関心」が強い動機となっていることが明らかになった。