著者
三宮 真智子 Machiko SANNOMIYA
出版者
鳴門教育大学学校教育実践センター
雑誌
鳴門教育大学学校教育実践センター紀要 (ISSN:13459414)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.151-161, 2005-02-08

国際化,情報化などの影響を受け,文脈依存性が高く言語的明示性の低い従来の日本固有のコミュニケーション・スタイルは,現在では通用しにくくなった。現在の日本において解決すべきコミュニケーションの問題は,自分の考えや気持ちをうまく伝えられないことである。そのために,(1)優れた意見であっても相手に伝わりにくく受け入れられなかったり,共同思考に貢献できなかったりする,(2)気持ちが十分に伝わらず,信頼感のある共感的な関係が築きにくい,といった結果を招いている。考えや気持ちを効果的に伝えるためには,コミュニケーションに関わる人間の認知や感情を対象化してとらえること,すなわちコミュニケーションに対するメタ認知が重要である。本稿では,メタ認知に基礎を置き,考え・気持ちを伝える情報表現力を育てるコミュニケーション教育の必要性とその理論的背景を述べ,コミュニケーション教育で扱うべき内容について提案した。
著者
葛西 真記子 永尾 修一
出版者
鳴門教育大学学校教育実践センター
雑誌
鳴門教育大学学校教育実践センター紀要 (ISSN:13459414)
巻号頁・発行日
no.19, pp.25-34, 2004

本研究は,中学生の自尊感情や規範意識にその保護者の自尊感情や規範意識が関係しているのではないか,という仮説をたて調査を行った。また,中学生の居住地域や祖父母との生活の有無,兄弟姉妹の中で第何子であるかということも中学生の自尊感情や規範意識にどのように影響を与えるかについても調べた。112の中学生親子ペアへの調査の結果,中学生の居住地域や祖父母との生活の有無や第何子であるかは,彼らの自尊感情や規範意識にあまり関係がないことが明らかとなった。また,保護者の自尊感情や規範意識は中学生のそれには直接的には関係がないことも明らかとなった。しかし,保護者の親役割が中学生の自尊感情や規範意識に関係していることが示された。国立情報学研究所『研究紀要公開支援事業』により電子化。