著者
三宮 真智子 山口 洋介
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.90.18311, (Released:2019-06-20)
参考文献数
15
被引用文献数
2

This study investigated the effect of the type of backchannel utterances (BU) on idea generation. Three types of BU were affirmative, neutral, and non-affirmative. Two categories of task were predicting consequences and devising resolutions. Thirty undergraduate students participated in the present experiment. Dependent variables were the number of ideas generated, speaking time, motivation of speakers, and speakers’ perception of listeners’interest in, agreement with, and admiration of speakers’ ideas. The main results were as follows: (a) affirmative BU was significantly effective for idea generation only in the prediction task, and (b) affirmative BU was effective for other dependent variables in both tasks. These findings showed the effectiveness of affirmative BU as a strategy for facilitating idea generation. The interaction of BU type and task was interpreted in terms of the possibility that the two kinds of tasks involved different thinking processes. Because the interaction was found only for idea generation, it was suggested that BU had two influencing pathways: increasing motivation through positive affect and activating idea generation itself.
著者
三宮 真智子 久坂 哲也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.49-52, 2014

メタ認知的知識に働きかけて情報判断力を育てる目的から,本質的には同じテーマの問題を小学生にも馴染みやすいエピソードを用いた異なるカバーストーリーのもとで,複数回呈示して,メタ認知的知識を事例ベースで学ばせる学習教材を開発した.小学校3年生を授業群,独習群,統制群の3群に分け,教育介入を通して教材の効果を検証した結果,プレテストから遅延テストにかけて,授業群,独習群の得点が統制群よりも上昇した.また,自由記述の分析から,学習によって獲得したメタ認知的知識を日常場面でも積極的に活用しようとする態度の形成が示唆されたことから,本学習教材は,情報判断力の育成に有効であったと考察した.
著者
遠藤 由美 吉川 左紀子 三宮 真智子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.85-91, 1991-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
7
被引用文献数
4 1

When parents scold their children, they give various types of reproaching utterances to them.The purposes of this study were to find out the types of scolding utterances and to see whether same types of information were contained in them. At least1670scolding utterances of parents were collected from306fifth and sixth graders and 302 undergraduates, and were classified into 14 categories. Direct utterances such as ‘do this’ or ‘do not do that’ made about one third of the total data while the others were made of many types of indirect utterances (Study1).The analysis of the verbal reactions of the recipients showed that reactions depended on types of scolding utterances (Study2).It was suggested that vaious types of scolding utterances contained different types of information.
著者
磯和 壮太朗 三宮 真智子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.152-154, 2018
被引用文献数
1

<p>The purpose of this study was to examine individuals' sense of competence contained in their sense of coherence (SOC). There are two aspects of competence: self-esteem (SE) and assumed-competence (AC). Self-esteem relates to essential aspects rooted in personal experiences, while assumed-competence pertains to illusory aspects not rooted in personal experiences but based on undervaluing others. Data of 183 college students were analyzed. Results indicated a positive correlation between SOC and SE, and a negative correlation between SOC and AC. Thus, sense of competence contained in SOC may not be based on illusory aspects and on undervaluing others.</p>
著者
三宮 真智子 Machiko SANNOMIYA
出版者
鳴門教育大学学校教育実践センター
雑誌
鳴門教育大学学校教育実践センター紀要 (ISSN:13459414)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.151-161, 2005-02-08

国際化,情報化などの影響を受け,文脈依存性が高く言語的明示性の低い従来の日本固有のコミュニケーション・スタイルは,現在では通用しにくくなった。現在の日本において解決すべきコミュニケーションの問題は,自分の考えや気持ちをうまく伝えられないことである。そのために,(1)優れた意見であっても相手に伝わりにくく受け入れられなかったり,共同思考に貢献できなかったりする,(2)気持ちが十分に伝わらず,信頼感のある共感的な関係が築きにくい,といった結果を招いている。考えや気持ちを効果的に伝えるためには,コミュニケーションに関わる人間の認知や感情を対象化してとらえること,すなわちコミュニケーションに対するメタ認知が重要である。本稿では,メタ認知に基礎を置き,考え・気持ちを伝える情報表現力を育てるコミュニケーション教育の必要性とその理論的背景を述べ,コミュニケーション教育で扱うべき内容について提案した。
著者
真下 知子 山村 麻予 三宮 真智子 坂 香里
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.85-88, 2014

大学生を対象としたコミュニケーション教育を設計するための基礎資料を得る目的から,日常的な場面のうち,友人間のアドバイス場面の収集を行った.4つの場面を設定し,場面想定法により,アドバイスする側の行動義務,心理的負担感について評定を求めた結果,マナーが他の3場面よりも行動義務感が低く,グループワークは,髪型や課題の場面よりも心理的負担感が高く,自発的にアドバイスするよりも,返答する方が心理的負担感が低いなど,場面や条件によって,行動義務や心理的負担感が異なることが示唆された.
著者
磯和 壮太朗 三宮 真智子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.152-154, 2018-11-01 (Released:2018-11-08)
参考文献数
10
被引用文献数
1

The purpose of this study was to examine individuals’ sense of competence contained in their sense of coherence (SOC). There are two aspects of competence: self-esteem (SE) and assumed-competence (AC). Self-esteem relates to essential aspects rooted in personal experiences, while assumed-competence pertains to illusory aspects not rooted in personal experiences but based on undervaluing others. Data of 183 college students were analyzed. Results indicated a positive correlation between SOC and SE, and a negative correlation between SOC and AC. Thus, sense of competence contained in SOC may not be based on illusory aspects and on undervaluing others.
著者
山口 洋介 三宮 真智子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.113-116, 2013

本研究では,思考過程を推測するための新たな手法として,「タイピング思考法」を提案し,その有効性について検討した.タイピング思考法とは,「課題遂行時に,頭の中で考えている内容を,そのまま即時にコンピュータにタイピング(キーボード入力)する」という手法である.大学生および大学院生10名を対象に,タイピング思考法を実施してもらった後,アンケートへの回答を求めた.その結果,参加者は自身の思考内容をプロトコル上におおむね反映できたと報告し,困難感も比較的小さいことが示された.さらに,得られたプロトコルをもとに,創造的思考方略を抽出・分類した結果,多様な側面が見出だされた.
著者
三宮 真智子 吉倉 和子 Sannomiya Machiko Yoshikura Kazuko ヨシクラ カズコ サンノミヤ マチコ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科教育学系
雑誌
大阪大学教育学年報 (ISSN:13419595)
巻号頁・発行日
no.17, pp.15-30, 2012

冗長な口頭説明がどのようにメモ・伝達されるのか,また, 3 分間の伝達計画時間を与えることが伝達にどう影響するのかを調べる実験を行った.24名の大学生を「計画あり条件」「計画なし条件」の2 群に分け,海外旅行参加者を対象とした説明をメモをとりながら聞かせ,説明会に欠席した友人のために留守番電話に録音するという設定で説明の伝達を求めた.結果として,以下の点が明らかになった.1)情報伝達の量的側面においては両群間の差は認められず,説明に含まれる重要度の高い情報ほどメモされ伝達されていた.2)情報伝達の質的側面においては,計画なし群の伝達に次のような冗長さが認められた:①話の導入・つなぎ,解釈,推測といった発話付加が多い.②情報の体系化度が低く無駄がある.3)質的側面において,計画あり群では,伝達計画時間を利用したメモへの加筆修正により,①情報の明確化および②情報の序列化を行っており,このことが冗長さの低減につながった.4)元の冗長な説明に対して,具体例の豊富さという要因についてはポジティブな印象を,話の非一貫性,未整理な話の展開,要点のわかりにくさという要因についてはネガティブな印象が形成された.The present experiment investigated how a redundant oral explanation is taken notes and transmitted the effects of note-taking and transmission of a redundant oral explanation in two conditions: with- and without-planning time (three minutes) conditions. Twenty-four undergraduates listened to an explanation of traveling abroad in a group tour while taking notes. Half of them were given three minutes of planning time before they transmitted the information to their friends who had missed the explanation. The notes and transmitted speech protocols of both conditions were analyzed. The main results were as follows. (1) Quantitative analysis revealed no difference between the two conditions: Both groups took notes and transmitted them according to the importance of information in the original explanation. (2) Qualitative analysis revealed that the transmitted explanation was more redundant in the without-planning condition: (a) introductory or conjunctive utterances, the participants' own remarks, and conjectures were more added; and (b) the information was less organized, which led to a waste of words. (3) Participants in the with-planning condition specified and arranged the information to be transmitted through an improvement of their notes, which made their transmission less redundant. (4) Participants formed a positive impression on the factor of abundant examples and negative impressions on the factor of inconsistency, disorganized structure, and pointlessness of the original redundant explanation.
著者
山口 洋介 三宮 真智子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.Suppl., pp.113-116, 2013-12-20 (Released:2016-08-10)

本研究では,思考過程を推測するための新たな手法として,「タイピング思考法」を提案し,その有効性について検討した.タイピング思考法とは,「課題遂行時に,頭の中で考えている内容を,そのまま即時にコンピュータにタイピング(キーボード入力)する」という手法である.大学生および大学院生10名を対象に,タイピング思考法を実施してもらった後,アンケートへの回答を求めた.その結果,参加者は自身の思考内容をプロトコル上におおむね反映できたと報告し,困難感も比較的小さいことが示された.さらに,得られたプロトコルをもとに,創造的思考方略を抽出・分類した結果,多様な側面が見出だされた.
著者
三宮 真智子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.173-176, 2008
参考文献数
6
被引用文献数
1

本報告では,中学生から大学生までを対象としたコミュニケーション教育の授業を考えるための基礎資料として,トラブルを誘発する誤解に焦点を当てた.まず,実態を把握するために,トラブルを招いた誤解についての事例を収集・分析した.結果として受け手のネガティブ感情を喚起したり,受け手や送り手の不都合・損失を招来したりする誤解は,省略語の非共有,語意の非共有,含意の非共有が原因であり,また,誤解の背景にはさまざまな個人的事情や人間関係が関与していた.こうした結果をふまえ,コミュニケーションの失敗事例分析法を活用した,トラブルを予防・解消するための授業の提案を行った.
著者
三宮 真智子
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学情報教育ジャーナル (ISSN:18823661)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.25-28, 2009-03

教職大学院に在席する教師を対象とした「コミュニケーション・マネジメント演習」において,説明に対するメタ認知能力を高めるための教材として「不完全な説明」教材を導入した。「不完全な説明」問題に対する現職教師30名の解答を分析した結果,次の2点が明らかになった:1)教師と言えどもこうした説明の不完全さへの気づきは必ずしも十分ではない,2)「不完全な説明」の中でも,必要な情報の欠落や表現の曖昧さ(多義性)に気づくことが困難である。教師が生徒の批判的読解力を伸ばす指導を行うための前提として,説明に対するメタ認知能力を高める効果的な取り組みが教師教育において必要と考えられる。そのためには,「不完全な説明」を教材として用い,説明の不完全さを指摘するといった演習を行うことも1つの方策として考えられる。
著者
三宮 真智子
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は, 人間の情報処理に対する科学的探究心の育成を重視した問題解決志向のコミュニケーション学習プログラムの開発を目指し, 次の3つの成果を上げた。(1) 一般社会人として必要なコミュニケーション能力を構成する知識, スキルを体系化した。(2) ミスコミュニケーション・データベースを試作した。(3) コミュニケーションがうまくいったり失敗したりするのはなぜなのかを科学的に探究する学習プログラムを開発した