著者
ガナール サイモン 太田 純貴
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学法文学部紀要人文学科論集 = Cultural science reports of Kagoshima University (ISSN:03886905)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.15-23, 2018-02-28

サイモン・ガナールによる本インタヴューでは、エルキ・フータモがフィンランドにおいて自身が受けた教育と初期の仕事、一九九〇年代における「メディア考古学」の出現、そしてメディア史におけるトポスへの注目を語る。トポスの文化的パターンを追跡することで、フータモは考古学的アプローチから系譜学的アプローチへとまさに舵を切り替えた。フータモが強調するところによれば、しかしながら、彼が行っているのは細心の注意を払った歴史研究であり、この点がフーコーやフリードリヒ・キットラー、そしてジョナサン・クレーリーとは異なっている。フータモによればこの三者は「現在のモデルを過去のそれに重ねており、それゆえに歴史的現実を踏みにじってしまっている」のである。