著者
Ayako HASHIMOTO Taiho KAMBE
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
JOURNAL OF THE BREWING SOCIETY OF JAPAN (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.12, pp.811-817, 2011 (Released:2017-03-28)
参考文献数
37
被引用文献数
4

本解説では人体における亜鉛(Zn)の生理機能について概説し,Znの摂取の重要性及び最近発見されたZn輸送タンパク質(ZIP4)の機能についてわかりやすく解説していただいた。つづいて,著者らが実施した,各種の味噌を添加することによるZIP4発現促進に関する研究を中心にして,味噌成分がZIP4発現促進効果をもつ可能性,ならびに近年の都市型生活の中で懸念されるZn欠乏に対する発酵食品の有用性についての期待と展望を示していただいた。味噌の新しい機能性の概要と有用性についてわかりやすく解説していただいた。
著者
Kazuo NAKAMURA Kotoyoshi NAKANISHI Hiroto HOMMA
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
JOURNAL OF THE BREWING SOCIETY OF JAPAN (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.11, pp.830-835, 2012 (Released:2017-12-15)
参考文献数
15

醸造食品の製造には,麹菌Aspergillus oryzaeを中心とした糸状菌が用いられている。糸状菌の仲間には,きのことしてなじみの深い担子菌が自然界に分布していて,春秋の季節には,私たちの食卓に上ることが多い。きのこは糸状菌の仲間であり,麹菌よりも大型で複雑な形態の子実体を形成し,麹菌と同じように分解酵素を生産することが知られている。本解説では,これまで食材として見られていた担子菌・きのこの酵素生産性に着目して,発酵食品の製造への利用への研究が進められていること,著者らが進めているきのこの耐塩性プロテアーゼの検索に関する研究成果ときのこの醸造への利用の展望についてわかりやすく解説していただいた。
著者
Tomoko KOBAYAKAWA
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
JOURNAL OF THE BREWING SOCIETY OF JAPAN (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.2, pp.81-89, 2011 (Released:2016-06-14)
参考文献数
27

淡口醤油は国内醤油の15%を占めるに過ぎないが,調理素材の色や味を生かし,だし風味を生かすので,特にうす味嗜好の関西地方で使用されている。著者は濃口醤油より淡口醤油の方が,塩味の閾値は低く,かつおだしや昆布だし風味の閾値も低く,さらに淡口醤油とかつおだしとの併用により塩味が増強されることを官能評価より明らかにし,調理に淡口醤油を使用することは,目的とする塩味に調節し易く,だし風味を効かせた低塩料理につながることを示唆しているので,解説いただいた。