著者
新田 和宏
出版者
近畿大学生物理工学部
雑誌
Memoirs of the Faculty of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University = 近畿大学 生物理工学部 紀要 (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
no.26, pp.93-116, 2010-09-01

2009年8月30日の衆議院議員選挙の結果、政権交代が起こり、翌9月16日、民主党と社会民主党および国民新党の3党連立からなる鳩山由紀夫政権が成立した。その鳩山首相は「新しい政治」を提唱した。しかし、鳩山政権は、普天間基地移設問題で立ち往生し、わずか8ヶ月余りの短命に終わった。但し、鳩山が提唱した「新しい政治」は、その後継である菅直人政権に継承された。本稿では、政権交代により民主党政権から提起された「新しい政治」の政治的意義について、冷戦以降の20年間におけるく新しい政治〉およびその第2局面という文脈の中で捉え返しながら、政治学による学理的省察を行うものである。 (英文) As a result of Japanese Parliament of Representatives election of August 30, 2009, made the change of government. September 16, HATOYAMA Yukio government was formed a cabinet as the three-party coalition government consisting of the Democratic Party, the Social Democratic Party and the People's New Party. The Prime Minister HATOYAMA advocated "new politics". However, HATOYAMA government came to a deadlock by the issue of Futenma military base in Okinawa, and collapsed in only more than 8 months. But, KAN Naoto new government succeeded to "new politics" that advocated by HATOYAMA government. Then, the purpose of this study is to analyze the political signification of "new politics" advocated the Democratic Party government, HATOYAMA and KAN, in the context of the New Politics of twenty years after the cold war, and the second situation of New Politics.
著者
栗山 敏秀 青井 利一 前田 裕司 伊東 隆喜 上野 吉史 中家 利幸 松井 信近 奥村 浩行
出版者
近畿大学生物理工学部
雑誌
Memoirs of the Faculty of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University = 近畿大学 生物理工学部 紀要 (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
no.27, pp.39-46, 2011-03-01

[要旨] 冬季に、自動車のドアや玄関の金属製ノブに手が触れた瞬間、「パチッ」と火花が飛んで痛みを感じた、という事はよく経験する。これは、身体にたまった静電気が金属との間で放電したためで、この時、身体の電圧は10,000ボルト以上になっている。カミナリも、よく知られているように、雲が帯電(静電気を帯びること)し、雲と雲、雲と地面などの間で放電する現象である。 我々は、医療、福祉、そして生活の向上に貢献したいと願い、人体の帯電を含め、さまざまな静電気を測定する技術を開発している。とくに、最近のLSI(集積回路)や液晶パネルにおいて、静電気により壊れるという現象が頻繁に起こっており、人体だけではなくモノ同士の接触、剥離による静電気の発生にも取り組んでいる。静電気は目に見えないので対策が困難であるが、これを見ることができる装置ができれば、それを防ぐ設計や対策に役立つと考えられる。今回、シリコン・マイクロマシーニング技術(半導体製造技術などによりシリコンを微細加工する技術)を用いシリコン製マイクロミラーを製作し、これを光学的な手段と組み合わせて静電気を測定する装置を開発し、摩擦帯電装置を用いた人体の帯電モデルについて適用した。 [Abstract] A silicon micro-mirror array fabricated by MEMS (Micro Electro-Mechanical Systems) process has been made for an electrostatic field distribution measurement system. Each silicon micro-mirror is suspended by two thin torsion bars, which is made by semiconductor process. Deflection of each micro-mirror is measured optically by using an optical scanner and PSD(Position Sensitive Detector). The electrostatic field distribution measurement system is applied to a human body model.
著者
河本 敬子 西田 吉伯 一野 天利
出版者
近畿大学生物理工学部
雑誌
Memoirs of the Faculty of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University = 近畿大学 生物理工学部 紀要 (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
no.28, pp.53-60, 2011-09-01

[要旨] RoboCupサッカーシミュレーションはマルチエージェントシステムの研究における様々な知見が得られるものとして期待されている. マルチエージェントシステムにおける各工一ジェントの動作がシミュレーション結果に重要な影響を及ぼすことがあり, エージェント群における有効な協調行動を実現する適切なパラメータを獲得する方法として, 遺伝的アルゴリズムなどが知られている. 本研究では, RoboCup2Dサッカーシミュレーションにおけるチーム強化方法として, エージェントの動作を制御するパラメータを対象とした遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm: GA)の有効性を検討する. さらに, GAの交叉方法の比較として, 1点交叉と2点交叉の検討を行った. 本研究室では, 卒業研究のテーマとしてRoboCupシミュレーション(2Dサッカー, 3Dサッカー, レスキュー)を扱っており, 2007年から5年連続で, RoboCupジャパンオープン(国内最大規模の大会)に学生が出場し, 2011年には2Dサッカーシミュレーションリーグ部門で3位入賞した. [Abstract] RoboCup soccer simulation is expected to bring a variety of knowledge in research into multi-agent systems. The behavior of each agent in a multi-agent system has an important effect on the simulation results, and methods such as genetic algorithms are known as methods for obtaining suitable parameters for delivering effective cooperative behavior in a group of agents. In this paper, the effectiveness of strengthening teams using genetic algorithms in the RoboCup2D soccer simulation is investigated.