著者
角尾 篤子
出版者
信州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

1.戦後の教育改革の中で、CIE内部にも高等教育についていわゆるヨーロッパ型教育を提唱する者と、より幅広い大衆に対する高等教育を考えるアメリカ型の考え方を推進する二つの考え方が存在した。2.1の問題については、当時の文部省内における考え方とも連携しており、旧制の専門学校についての短大構想とも結びついていた。3.Holmesと教育課で一緒に教育改革の仕事をしていたWiggleswirthの帰国後、米国で短期大学連盟の理事をしていたEellsがその後任として着任し、今までの、教育課の政策からはずれた様々な見解を展開し、Holmesの4年制新制大学推進案と鋭く対立し、高等教育プロジェクトが停滞させられた。4.戦前日本の教育事情を実際に体験していたHolmesは、大学が自ら大学設置基準を策定し、日本の高等教育を推進していく為の大学基準協会を創立させた。5.Holmesは、加えて日本の女子高等教育の必要性から、二つの国立女子大学の創設、私立の女子大学の設立、家政学部の創設に重要な役割を果たした。6.民主主義を推進するためには、草の根からの日本社会の変革が必要と考えたHolmesは、大学婦人協会、全国女子学生連盟などの組織化に尽力した。7.女子に対する差別教育を撤廃するために、小学校から男女共修の家庭科を履修させるカリキュラムを、Holmes,Donovan,山本松代等が中心になって作り上げた。

言及状況

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こんな研究ありました:新制女子大学及び家政学部の創立とCIE-米国側文献及び生存する当事者の証言を中心とした実証研究-(角尾 篤子) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/03680086

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