著者
金谷 健
出版者
京都大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

廃棄物は焼却処理によって敏速に減量化される反面、重金属は逆に濃縮される。そのため焼却灰埋立地浸出水は重金属濃度が高くなることが懸念されるが、現在までのところ排水基準以下であることが多い。その理由のひとつは履土(土壌)による重金属吸着現象にあると考えられる。土壌の重金属吸着現象に関しては、従来から土壌学等の分野において多くの研究がなされてきた。しかしそれらの研究は中性〜酸性領域でなされており、焼却灰が高アルカリ性であることを考えると、参考にはなるものの直接には利用できない。そこで本研究では、アルカリ領域での履土の重金属吸着現象について実験的に検討し、焼却灰埋立地に濃縮されている重金属による長期的環境影響を予測するための基礎的知見を得ることを、研究目的とした。この研究目的を達成するため、3種類の履土(砂質土、山土、畑土)及び3種類の重金属(Pb,Cd,Zn)を用いて、アルカリ領域をも含めて、回分式吸着実験を行った。得られた主要な知見は次の通りである。(1)酸性から弱アルカリ性へとpHが増加するに伴い、履土の重金属吸着量が増加する傾向が3種類全ての重金属及び履土について認められ、焼却灰のアルカリ剤としての性質が履土の重金属吸着能を高めることが確認された。(2)弱アルカリ性から強アルカリ性へとpHが増加するに伴い、履土の重金属吸着量は重金属の種類によって異なる変化を示す傾向が認められた。

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