著者
森本 光明
出版者
東京歯科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

目的:歯科用金属アレルギーの検査として、リンパ球幼若化反応に注目し、金属の種類や濃度について検討を加えた。方法:金属アレルギーが疑われ皮膚貼付試験陽性を示した皮膚粘膜疾患患者44名を陽性群とし、金属アレルギーの既往が無く皮膚貼付試験陰性であった学生45名を陰性群とした。Hg,Ni,CO,Pdの皮膚貼付試験の試薬を抗原とし、50、250、1250、6250、31250,156250倍の6段階に希釈した濃度系列を用いた。抗原添加時の^3H-チミジンの取り込み量を非添加^3H-チミジンの取り込み量で除した百分率により得た値を判定した。結果:1,0.1%HgCI^2の場合は50倍希釈で陽性群(961.9±504%)、陰性群(652.9±463.8%)ともに最も強い反応を示し、陰性群で200%を越したことにより非特異的なリンパ球幼若化反応を認めた。両群間において250倍希釈時にのみ有意差を認めた。臨床上250倍の濃度の値が重要と考えられた。2,5%NiSO_4の場合は1250倍希釈において陽性群(779.2±564.9%)、陰性群(214.6±107.8%)ともに最も強い反応を示し1250、250倍希釈時に両群間において有意差を認めた。3,2%CoCI_2の場合は6250倍希釈において陽性群(337±225.5%)で最も強い反応を示し、156250、31250、6250、1250倍希釈時に両群間において有意差を認め、6250倍が臨床上重用と考えられた。4,1%PdCI_2の場合は250倍希釈において陽性群(256.0±207.5%)で最も強い反応を示し、両群間において有意差を認めた。この濃度が臨床上有用と考えられた。5.リンパ球幼若化反応において至適濃度の存在が示唆された。現在その他の金属(Ti,Cu,Cr,Zn)についても検討中である。また、今回培養日数を3日で行ったが日数延長することによってより検査の感受性が高まるデータも得ている。

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[medical] これはパッチテストとかと違って低リスクで検査できるということかな低学歴な馬鹿なのでよくわからん

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