著者
岡 瑞起
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

コンピュータシステムで集積された情報の分析結果を,セキュアシステム構築のために活用するためには,結果をユーザに分かりやすく可視化して提示することが必要不可欠である.可視化する際に重要な要素である「色」に注目し,画像に使用されている色の組み合わせが自動的に調和的に変更する技術の開発を行った.既存の手法では,画像の色を変更した際に,大域的な色の整合性が保たれないという問題があり,色の具合に不自然さが残るという問題があった.この問題を解決し,より大域的な空間整合性を確保する手法の提案を行った.この成果は,電子情報通信学会論文誌に採録された.また,Microsoft Research Asia(MSRA,北京)にて6ケ月間の研修を行い,セキュリティ強化のために一般に広く使用されているユーザ認証技術に関する研究を行った.ユーザ認証技術としてユーザの自由な描画(スケッチと呼ぶ)を用いた認識技術を提案した.スケッチをしてもらう絵を用いる,という新しいアイディアの提案を行った.システムのユーザビリティを高めることを第1の目的とし,ユーザが署名を書くときのように絵を書いてもらっても高精度に認識できる方向性パターンという特徴を用いた.方向性パターンとは,スケッチを画像として扱い,検出されるエッジをいくつかの方向に量子化した特徴を指す.方向性パターンを特徴として用いることにより,スケッチの揺らぎを吸収し,精度よく認識を行うことが可能となることを実験データにより示した.この成果を米国特許として申請中(2008年4月現在)である.

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大学の博士後期課程進学説明会で、学振について説明して欲しいという依頼。わたしはどんなテーマにしてたっけと科研費データベースを検索したら発見。懐かしいなあ。 https://t.co/JpktGN47jp

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