著者
鈴木 寛
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

1.距離正則グラフの結合グラフの研究が進み、特に、よいクラスとして、既存のかなりのものを含む距離半正則グラフの概念を定義した。特に、位数が(s,t)で、s>tのものについては、結合グラフが常に距離半正則グラフになることが示され、それまで複雑な組合せ構造の議論に頼っていた部分が全く簡単に扱えるようになった。2.部分グラフの構成および部分グラフの束を調べることは距離正則グラフの研究でもっとも重要なことと思われるが、平木氏、Weng氏の研究も関連して、geometric girthが5のものについても結合グラフの束が構成できることを示した。この束自体が研究されそこから幾何を構成する事へと発展することが望まれる。3.距離正則グラフの表現論を進展させるためには、Q-多項式型のアソシエーションスキームの研究が欠かせないが、このパラメターが指標の積分解などと関連して非常に難しいことから今まで進展が見られなかった。今回、行列成分の等式を駆使することにより、いくつかの新しいパラメターの関係が示され、それによって長い間未解決であった、非原始的なQ-多項式型アソシエーションスキームの特徴付け、および、二つ以上もQ-多項式構造をもつアソシエーションスキームの特徴付けが得られた。表現論の進展が待たれる。4.上にの述べたように表現論は指標の積などとも関連が深いが、有限群の既約指標の積分解が、Q-多項式型の分解になる場合を考えそのクラスを分類することが出来た。このことは、距離正則グラフ、Q-多項式型アソシエーションスキームの研究が単に組み合わせ構造の中に留まるのではなく、群の表現や、鏡映群、不変式などとも深い関連があることを確認することともなっている。

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こんな研究ありました:距離正則グラフの構造(鈴木 寛) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/06640075

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