著者
稲場 進
出版者
富山医科薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究を遂行するにあたり用いたベロトキシン受容体に対する抗体は、CD77に対するモノクローナル抗体であり、これは静岡県立大学生化学鈴木先生より供与された。1.ヒト腎組織におけるglobotriosylceramide(Gb3)の局在に関する検討対象は溶血性尿毒症性症候群3例、IgA腎症14例、紫斑病性腎炎14例、頻回再発ネフローゼ症候群5例とした。溶血性尿毒症性症候群では3例とも糸球体内並びに尿細管上皮細胞に強く染色された。IgA腎症では学校検尿などの無症候性に発見された症例は陰性であり、感冒時の肉眼的血尿発見例やネフローゼ症候群合併例では尿細管上皮細胞や糸球体内に陽性であった。紫斑病性腎炎は全例尿細管上皮細胞並びに糸球体内に陽性であった。頻回再発ネフローゼ症候群では感染合併例で陽性であった。染色部位は尿細管上皮細胞ではほとんどが細胞質であったが、一部核内に強く染色されていた。一方糸球体内では毛細管係蹄壁もしくはメサンギウム領域に染色された。2.培養尿細管上皮細胞におけるGb3の発現の検討ヒト尿細管上皮細胞Cell Line(HK2)を培養し各種サイトカインにて刺激し、Gb3の発現をフローサイトメーターにて観察した。刺激には、IL-1α,IL-6,IL-8,TNF-α,LPSの5種類のサイトカインを用いた。コントロールと比較すると、刺激48時間後にはいずれのサイトカインの刺激でもGb3の発現の増強がみられた。特にTNF-αの刺激で著しく増強した。以上の結果はヒト腎組織においてGb3は、血管内皮細胞のみならず尿細管上皮細胞においても発現しており、その多くは感染を契機として分泌される各種サイトカインが関与していることが強く示唆された。

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こんな研究ありました:腎尿細管におけるベロトキシン受容体発現調節と細胞障害性に関する研究(稲場 進) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/09670790
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