著者
森 厚 丸山 健人
出版者
東京学芸大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1997

本研究は教材開発も含めて行う予定であったが、教材開発そのものの成果は十分とは言えない。しかし、予備実験として以下のような様々な成果を得ることができた。1. 自動観測装置の作成人の手による観測は様々な困難を伴うので自動観測装置を開発した。PCとデジタルカメラを組み合わせた装置で、現在も自動的に5分おきに観測し、データの蓄積に多いに役立っている。以下の結果はこの装置で得られたデータによるものである。2. 空の明るさについての基礎的な研究(1) 理論との比較仰角が大きいところの空の明るさについて簡単化された理論モデルを用いて検討した。冬の良く晴れた日の観測結果とある程度の一致が確認されたので、空の明るさについての角度依存性がはっきりし、同時に、明るさの日変化・季節変化についても情報が得られた。これらはエアロゾルで大気が汚染される前の状態を反映していると考えられ、観測結果の背景場の特定の重要な鍵となる。また、エアロゾルによるミー散乱の量が多ければそれが明るくなるはずであるが、その点に関して次の(2)〜(4)のような傾向が見られた。(2) 空の明るさの時刻による違い冬の晴れた日では、午前中に比べて午後の方が空が明るいようである。前回の報告では逆のケースを報告したが、こちらのケースが多いようである。(3) 空の明るさの曜日による違い観測結果は、休日の方が空が暗い傾向がある。(4) 空の明るさの季節による違い(1)で述べた理論モデルを基準に考えると、夏は冬に比べて空の明るい傾向がある。3.空の青さについての基礎的な研究空の青さについて、昨年度検討したことを新たなデータを使って再確認した。以上、1.〜3.を踏まえ、早急に教材として確立したいと考えている。

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こんな研究ありました:空の青色の研究とその教材の開発(森 厚) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/09878031

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