著者
風早 竜之介
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

前年度にまとめた浅間山火山における長周期地震と火山ガスの関係性に関する論文が国際雑誌[Geophysical Research Letters]に掲載された。これは火山ガスと火山性長周期地震という異なる事象を結びつけ両者の関連性について言及した非常に重要な研究成果である。またこの成果は従来は火山活動のモニタリング等にメインに用いられてきた火山ガス研究が、他の地球物理的研究とのコラボレーションにより火山内部の知見を得る手法として、火山学として新たな可能性を示している事を意味している。また、上記の火山性地震と火山ガスの関係性を用いれば、地震を伴って火山から放出されるガス量と地震を伴わずに地表に放出される火山ガスの量の長期的な吟味が可能となる。これについて評価した結果、浅間山火山にて2009年2月に発生した噴火の前後で両者の比が大きく変化し、噴火後にはより地震を発生しながらガスを噴出しやすい機構に火山内部が変化したという事が示唆された。これは長期的な火山活動推移予測評価手法として直接的に役立つ研究であり、今後他の物理観測データとの比較・議論が期待される。この成果について国際学会IUGGにて発表を行った。また、二カ月間の間海外イタリアのカターニャに渡航し、火山ガス観測装置である紫外線カメラの装置開発及びこの装置の自動化に関する実験・シミュレーション技術の開発を行った。紫外線カメラは火山学において非常に重要な観測技術である。だが、紫外線カメラ観測は天候等の影響を受けやすく、良いデータを取ることはなかなか難しい。よって、この装置を用いた定常観測環境の実現が求められるが、まだ世界的にもこの装置の自動化を実現している研究例はない。また、同じく海外イタリア・エトナ火山にて上記装置を用いた火山ガス観測を行った。海外イタリア研究機関INGVのスタッフとも積極的に火山学に関する議論を行い、セミナー発表を行った。また桜島火山における火山ガス観測の成果をまとめ、雑誌火山桜島特集号に投稿した。また、上記を含む特別研究員3年間の研究成果を東京大学にて博士論文としてまとめ、発表した。

言及状況

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こんな研究ありました:リモートセンシングによる火山ガスのイメージングおよび高時間分解能連続測定(風早 竜之介) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/09J06620

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