著者
川添 和義
出版者
徳島大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

1.各産地におけるArtemisia annua及びArtemisia apiaceaに含まれるアルテミシニンの含有率について,さらに評価を続けた.昨年開発を行った固層抽出法とGC-MSを組み合わせた分析法により,台湾産(高雄市場品)について分析を行った結果,黒竜江省で採集したA.annuaに匹敵する含量を認めた.今年度はさらにHPLCによる分析を行い,著者が開発したアルテミシニンの分析法を評価した.すなわち,昨年分析を行った大阪市場品,北京市場品,陜西省市場品,黒竜江省採集品,雲南省採集品の各石油エーテルエキスを作製し,それらをHPLCで分析したところ,GC-MSを用いた結果とほぼ一致することがわかった.さらに感度はGC-MSの方が数万倍上回ることから本方法の有用性が明らかにされた.2.ヨモギ属植物の評価をさらに国内産のヨモギについても行った.今年度はヨモギ,ワタヨモギ,リュウキュウヨモギなど国内に自生するヨモギ属植物13種について栽培し、その生物活性成分を検討した.その結果,日本において絶滅危惧とされているワタヨモギのアルコール抽出エキスに強い抗MRSA活性のあることが判明した.そこで,本エキスについて種々のカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製を行い活性成分を単離した.本化合物については現在その構造を解析中である.抗MRSA活性を有するヨモギ属植物はワタヨモギ以外にも確認されており,今後さらに検討を続ける予定である.

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