- 著者
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武岡 暢
- 出版者
- 東京大学
- 雑誌
- 特別研究員奨励費
- 巻号頁・発行日
- 2010
研究計画中、平成23年度分の内容についての要点は論文の執筆であった。しかし実際には、中間報告的な投稿論文を1本書き上げた他には、主として調査と学会報告に注力することとなった。以下ではおおざっぱな時系列順に、調査、学会報告、論文の順番で研究実施状況を説明する。(1)調査昨年度までに研究を進めてきたセックスワークに関して、本年度はさらに客引き、スカウトという、ストリートで活動するアクターにまで調査を進めた。国内にはそもそもセックスワークに関する先行研究の蓄積が薄いが、海外においてもセックスワークに関わる男性の研究は少ない。(2)学会報告客引きとスカウトへのインタビューという貴重な調査を実施できたことから、これを広く学会で発表することが重要と考え、9月と11月にそれぞれ学会報告を行った。また、これとは別に、昨年度までの研究成果を元に、8月にはブエノスアイレスで開催された世界社会学会International Sociological Associationでも研究報告を行った。(3)論文9月と11月の学会報告での議論を元に、論文を執筆した。ここでは客引きとスカウトを、2000年代以降に世界的に強化された取締りの対象=「都市の無秩序」として取り上げた。法制度的制約のなかでの経済的合理性の追求と、それのみに還元されない彼らの意味付けを明らかにする内容であった。