著者
小竹 佐知子
出版者
山梨県立女子短期大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

粘稠性のある食品のモデル系試料として、0〜15%濃度のデンプンゾル(粘度3.7Pa s以下)および油相体積分率0.3に調製して粘度を変えたエマルション(粘度2.1Pa s以下)を用い、香気成分には油-水間の平衡分散係数K_<ow>と空気-水間の平衡分配係数K_<aw>が大きく異なるdiacety1(K_<ow>=0.3、K_<aw>=1.6×10^<-3>)および2-heptanoe(K_<ow>=52.0、K_<aw>=11.6×10^<-3>)の2種類を、各モデル試料での濃度が0〜20ppm濃度となるように添加した。各試料5mlをパネルに供試して0〜2分間咀嚼させ、咀嚼中の放散香気をテナックスチューブ(2,6-diphenyl-p-phenylene oxide、35/60mesh)に補集し、ガスクロマトグラフィー(Carlo Erba MEGA 5300、検出器 FID、カラムSupelcowax 10(60m×0.25mm i.d.)、温度40℃4分間→95℃(2℃/min)→272℃(6℃/min)、ガス流量He 1ml/min)により放散量を測定した。両香気成分とも咀嚼時間に伴って放散量は増加しており、香気成分の違いによる放散量の違いは従来の報告と同様の傾向であったが、パネルにより放散量は大きく異なっていた(咀嚼2分時diacetyl低粘稠試料最低値300〜最高値800ng、高粘稠試料750〜2250ng、2-heptanone低200〜1750ng、高700〜1900ng)。同事に測定した分泌唾液量にもパネル間において大きな差が認められた(低0.3〜2.0g、高0.4〜2.8g)。これらの違いには男女差や年齢、人種による傾向は認められなかったが、分泌唾液量が多いほど試料媒体の希釈により、香気放散量の少ないことが認められた。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 1 favorites)

@nodril_dentist これは人種別による唾液の分泌量に差はないと推測できるのではないでしょうか。 人種により唾液の量が違うという話は注意した方が良いですね。 https://t.co/0a5uyUfdML

収集済み URL リスト