- 著者
-
小林 武
- 出版者
- 南山大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2001
本研究は2年を期間としたもので、第1年度たる平成13年度においては、基礎をなす作業にとりくみ、まず直接民主政にかんする研究文献に検討を加え、またスイスに赴いて、その直接民主主義制度を調査した。これをふまえて、第2年度の平成14年度においては、文献の研究を深め、また、アメリカ合衆国カリフォルニア州の直接民主政、とくに住民投票について調査した。こうした研究の進行の中で、大韓民国において憲法上定められている重要政策についての国民投票をも検討対象とし、その調査のためにソウル市に赴いた。わが国で、この間に直接民主政にかんして顕著な動向がみられたのは、住民投票、とりわけ市町村合併についてのそれである。市町村合併は、住民生活の場のありようを決定する基本的な問題であるだけに、住民投票の動きが全国各地で生じており、直接民主政研究にとっての重要テーマである。そこで、関係の自治体に赴いて実態にふれ、調査した。併せ、国立国会図書舘等で文献研究を進めた。以上の作業をとおして、平成14年には、スイスの国家緊急法制および政治過程を扱った各研究、またわが国の民主主義を立憲主義との関係で論したものとを公にした。ついで、平成15年には、憲法改正手続および首相公選構想における国民投票と、市町村合併等における住民投票にかんする論稿を発表した。『研究成果報告書』は、これらを軸にしたものであり、そして、今後できるだけ早い時期に、本研究の包括的成果を一書にして上様したいと考えている。