著者
小林 武志 木村 凡 藤井 建夫
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.782-786,853, 2003-09-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
15
被引用文献数
2 3

石川県特産のフグ卵巣ぬか漬けでは,有毒卵巣がぬか漬け後に食用となるので,その減毒への微生物関与の可能性を検討した。ぬか漬け製造中の桶の液汁を採取し,これにフグ毒を添加して貯蔵を行い,その毒性を測定すると共に,ぬか漬けの微生物185株をフグ毒培地に各々接種し,培養後の培地の毒性を測定した。また,フグ毒培地にぬか漬けを直接接種,培養して,毒性変化を調べ,毒分解活性を有する微生物を増菌して分離しようと試みた。しかし,一連の実験では,微生物関与と考えられる明確な毒性低下を確認できなかった。
著者
小林 武志 木村 凡 藤井 建夫
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.782-786, 853, 2003-09-15
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

石川県特産のフグ卵巣ぬか漬けでは,有毒卵巣がぬか漬け後に食用となるので,その減毒への微生物関与の可能性を検討した。ぬか漬け製造中の桶の液汁を採取し,これにフグ毒を添加して貯蔵を行い,その毒性を測定すると共に,ぬか漬けの微生物185株をフグ毒培地に各々接種し,培養後の培地の毒性を測定した。また,フグ毒培地にぬか漬けを直接接種,培養して,毒性変化を調べ,毒分解活性を有する微生物を増菌して分離しようと試みた。しかし,一連の実験では,微生物関与と考えられる明確な毒性低下を確認できなかった。
著者
長島 裕二 永井 慎 小林 武志 桐明 絢 太田 晶 岡山 桜子
出版者
東京海洋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

フグ毒テトロドトキシン(TTX)は水圏環境に広く分布しているが、TTXの分解に関する知見はほとんどない。そこで本研究では、製造工程中にフグ毒の毒性減少が知られているフグ卵巣糠漬けに着目し、TTXを分解する微生物と酵素をスクリーニングして、自然界におけるTTX分解メカニズムの解明に資することを目的とした。しかしながら、結論として、フグ卵巣糠漬けの毒性減少に微生物はほとんど関与しないことがわかった。一方、フグ卵巣糠漬け製造にかかわる微生物叢を次世代シーケンサーで調べたところ、極限環境微生物が検出され、これら微生物が干渉現象で有機物の分解、抑制を行っていることがメタゲノム解析により明らかとなった。
著者
當瀬 規嗣 小林 武志 前田 佐知子 一瀬 信敏 佐藤 達也
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.61-64, 2015 (Released:2015-08-03)
参考文献数
7

心筋細胞の電気生理学的特性は,発生期の心臓の形態学的な変化に伴って大きく変容する.発生初期のラット胚では,大部分の細胞で自動能が認められる.膜電位ではペースメーカー電位が確認でき,活動電位全体の形状は,成体の洞房結節細胞のそれと同様である.その後,作業心筋の静止膜電位は過分極し,ペースメーカー電位は失われ,自動能は刺激伝導系の細胞に限定される.この過分極は,内向き整流性K+チャネルが増加してゆくことによって引き起こされる.さらに,活動電位持続時間は誕生後に伴い急速に短縮するが,これは一過性外向きチャネルの増加が原因である.このように,胎生期の電気生理学的特性の変化は,細胞膜上のイオンチャネルの遺伝子発現と特性の変化によって引き起こされる.早期のラット胚で心拍動は観察されないが,受精後10日目に心拍動が突然開始する.この拍動開始には,L型Ca2+チャネル(Cav1.3)の突然の遺伝子発現の増大が大きく関係していると考えられる.
著者
小林 武志 長島 裕二 木村 凡 藤井 建夫
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.76-80, 2004-04-25
参考文献数
14

フグ毒テトロドトキシンを滅菌したぬか漬けに添加すると毒性が低下することを見いだし,この原因を明らかとするために,テトロドトキシンを添加した滅菌無機培地を弱酸性下に放置し,経時的にマウス試験を行ったところ,マウス致死活性が消失した.このことから,無機培地中にテトロドトキシンの毒性を低下させる要因があると考え,高速液体クロマトグラフィーと併用して検討したところ,培地成分の無機塩溶液を除去したとき,毒性の減少が抑制された.そこで,無機塩溶液に含まれる各成分の影響を検討したところ,ホウ酸がテトロドトキシンの毒性減少に深く関与していることが判明した.
著者
洲崎 春海 野村 恭也 水野 正浩 川端 五十鈴 田部 浩生 宮川 晃一 坪井 洋 鳥山 稔 飯野 ゆき子 中井 淳仁 市村 恵一 土田 みね子 中村 直也 山口 宏也 深谷 卓 安部 治彦 井上 都子 杉本 正弘 鈴木 康司 佐藤 恒正 大西 信治郎 小林 恵子 伊藤 依子 井上 憲文 小林 武夫 室伏 利久 水野 信一 鳥山 寧二 飯塚 啓介 市川 朝也 森田 守 石井 哲夫 鍋島 みどり 船井 洋光 浅野 恵美子 矢野 純 吉見 健二郎 横川 友久
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.34, no.Supplement7, pp.575-581, 1991-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
9

12歳以上のスギ花粉症患者118例 (男55例, 女63例) にトラニラスト (リザベン ®) を投与し, 予防効果と治療効果について比較, 検討した。投与方法はトラニラストとして1日300mgを原則としてスギ花粉飛散 (20個/cm2/日以上の飛散) の2週間以前から投与し (予防投与), 飛散後4週間継続投与した (治療投与)。改善度判定は,「効果あり」以上は予防投与群32例 (57%), 治療投与群28例 (45%) で,「やや効果あり」以上は予防投与群42例 (75%), 治療投与群49例 (79%) であった。花粉飛散初期において鼻症状, 鼻鏡所見, 眼症状のいずれの程度も治療投与群に比べて予防投与群の方が有意に改善しており, 自覚症状, 他覚所見のいずれもトラニラストの予防効果が認められた。治療投与群においてはくしゃみ, 鼻汁, 鼻鏡所見, 眼のかゆみの程度が投与終了時に有意に改善した。副作用は予防投与群4例 (7.1%) 治療投与群5例 (8.1%) にみられたがいずれも投与中または投与中止により軽快した。以上より, トラニラストの予防投与は有用でかつ合理的な治療法と考えられる。また, 治療投与も有用であることが確認された
著者
松本 良 奥田 義久 蛭田 明宏 戸丸 仁 竹内 瑛一 山王 梨紗 鈴木 麻希 土永 和博 石田 泰士 石崎 理 武内 里香 小松原 純子 Antonio Fernando FREIRE 町山 栄章 青山 千春 上嶋 正人 弘松 峰男 Glen SNYDER 沼波 秀樹 佐藤 幹夫 的場 保望 中川 洋 角和 善隆 荻原 成騎 柳川 勝則 砂村 倫成 後藤 忠則 廬 海龍 小林 武志
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.1, pp.43-71, 2009-02-25 (Released:2010-04-05)
参考文献数
46
被引用文献数
65 59

A number of extensive methane plumes and active methane seeps associated with large blocks of methane hydrates exposed on the seafloor strongly indicate extremely high methane flux and large accumulations of methane hydrate in shallow sediments of the Umitaka spur and Joetsu knoll of the Joetsu basin 30 km off Joetsu city, Niigata Prefecture. Crater-like depressions, incised valleys, and large but inactive pockmarks also indicate methane activities over the spur and knoll. These features imply strong expulsions of methane gas or methane-bearing fluids, and perhaps lifting and floating-up of large volumes of methane hydrate to the sea surface. High heat flow, ∼100 mK/m, deposition of organic-rich strata, ∼1.0 to 1.5%TOC, and Pliocene-Quaternary inversion-tectonics along the eastern margin of the Japan Sea facilitate thermal maturation of organic matters, and generation and migration of light-hydrocarbons through fault conduits, and accumulation of large volumes of methane as methane hydrate in shallow sediments. Microbial methane generation has also contributed to reinforcing the methane flux of the Joetsu basin. Regional methane flux as observed by the depth of the sulfate-methane interface (SMI) is significantly high, < 1 m to 3 m, when compared to classic gas hydrate fields of Blake Ridge, 15 to 20 m, and Nankai trough, 3 to 15 m. δ13C of methane hydrate and seep gases are mostly within -30 to -50‰, the range of thermogenic methane, while dissolved methane of the interstitial waters a few kilometers away from seep sites are predominated by microbial with δ13C of -50 to -100‰. Seismic profiles have revealed fault-related, well-developed gas chimney structures, 0.2 to 3.5 km in diameter, on the spur and knoll. The structures are essential for conveying methane from deep-seated sources to shallow depths as well as for accumulating methane hydrate (gas chimney type deposits). The depth of BSR, which represents the base of gas hydrate stability (BGHS), on the spur and knoll is generally 0.20 to 0.23 seconds in two-way-travel time, whereas the BSRs in gas chimneys occur at 0.14 to 0.18 seconds, exhibiting a sharp pull-up structure. The apparent shallow BGHS is due to the accumulation of large volumes of high-velocity methane hydrate in gas chimneys. The depth to BGHS is estimated to be 115 m on an experimentally determined stability diagram, based on an observed thermal gradient of 100 mK/m. Then the velocity of the sediments on the Umitaka spur is calculated to be 1000 m/s, which is anomalously low compared to normal pelagic mud of 1600-1700 m/s. This exciting finding leads to the important implication that sediments of the Umitaka spur contain significant amounts of free gas, although the sediments are well within the stability field of methane hydrate. The reasons for the existence of free gas in the methane hydrate stability field are not fully explained, but we propose the following possible mechanisms for the unusual co-existence of methane hydrate and free-gas in clay-silt of the spur. (i) High salinity effect of residual waters, (ii) degassing from ascending fluids, (iii) bound water effect and deficiency of free-waters, and (iv) micro-pore effect of porous media. All of these processes relate to the development of gas hydrate deposits of the Umitaka spur.(View PDF for the rest of the abstract.)
著者
小林 武夫 熊田 政信 石毛 美代子 大森 蕗恵 望月 絢子
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.31-34, 2014 (Released:2014-02-20)
参考文献数
10
被引用文献数
1

歌唱を職業とする者に,歌唱時においてのみ見られる痙攣性発声障害を「歌手の喉頭ジストニア(singer’s laryngeal dystonia)」と名づけた.痙攣性発声障害の一亜形である.通常の会話は問題がない.本症の発症前に過剰な発声訓練を行っていない.4例は第1例(女性31歳)ソプラノ,ポピュラー,第2例(女性28歳)ロック,第3例(男性40歳)バリトン,第4例(男性46歳)バリトンで,第4例のみが外転型痙攣性発声障害で,他の3例は内転型である.内転型は歌唱時に声がつまり,高音の発声障害,声域の短縮,ビブラートの生成が困難となる.外転型では,無声子音に続く母音発声が無声化する.治療は,内転型はボツリヌストキシンの少量頻回の声帯内注射が有効である.外転型では,後筋にボツリヌストキシンを注射する.
著者
本 秀紀 愛敬 浩二 森 英樹 小澤 隆一 植松 健一 村田 尚紀 木下 智史 中里見 博 小林 武 上脇 博之 奥野 恒久 近藤 真 植村 勝慶 倉持 孝司 小松 浩 岡田 章宏 足立 英郎 塚田 哲之 大河内 美紀 岡本 篤尚 前原 清隆 中富 公一 彼谷 環 清田 雄治 丹羽 徹 伊藤 雅康 高橋 利安 川畑 博昭
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

比較憲法研究・憲法理論研究を通じて、(1)先進諸国が「ポスト・デモクラシー」という問題状況の中でさまざまな問題を抱えていること、(2)各国の政治状況・憲法制度の差異等が原因となって、その問題の現れ方には多様性があること、の2点が確認された。そして、「ポスト・デモクラシー」の状況の下で国内・国際の両面で進行する「格差社会」化の問題は、今日の憲法制度・憲法理論において有力な地位を占める「法的立憲主義Liberal Democracy」の考え方では、適切・正当な対応をすることが困難であることを明らかにした。以上の検討を踏まえて、民主主義をシリアスに受け止める憲法理論の構築の必要性が確認された一方、「政治的公共圏」論を抽象論としてではなく、(日本を含めた)実証的な比較憲法研究との関連において、その意義と問題点を検討するための理論的条件を整備した。
著者
小林 武
出版者
愛知大学法学会
雑誌
愛知大学法学部法経論集 (ISSN:09165673)
巻号頁・発行日
no.204, 2015-10-09 (Released:2015-10-09)
著者
小林 武
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.25-36, 2005 (Released:2005-04-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1

統計解析は,研究や調査等の成果を読み手(あるいは聞き手)に納得してもらうために必要な科学的証拠を提示するための一手法であり,科学的根拠に基づく介入(Evidence-based Practice)を目指す理学療法にとって欠くことのできないものである。パーソナルコンピュータとソフトウエアの高性能化によって,誰でも比較的容易に統計計算が可能になったが,最も確かな証拠を手に入れるためには,データの種類や分布等の特性を把握して,それらに適した正しい統計手法を選択・適用しなくてはならない。この総説は,理学療法で扱う変数の具体例を挙げながら,統計手法の適切な選択について概説した。
著者
小林 武夫 石毛 美代子
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.158-161, 2012 (Released:2012-06-11)
参考文献数
9
被引用文献数
1

17歳のとき月経痛がひどく,男性化作用のあるダイホルモンデポ®を投与され,音声障害を引き起こした女性を30年間にわたり追跡した.声は翻転し,話声位は低下した.18歳の初診時の話声位はB3で,30歳までこの状態が続き,48歳の現在話声位はF3となっている.この状態を声も相同と考えられる一卵性双生児の妹と比較した.ホルモン投与の当初,話声位は3半音低下を見た.自家で行った音声訓練にかかわらず,声は回復しなかった.
著者
小林 武
出版者
愛知大学法学会
雑誌
愛知大学法学部法經論集 (ISSN:09165673)
巻号頁・発行日
no.213, pp.187-218, 2017-12-08