著者
笹倉 万里子 山崎 進
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

高度情報社会においては,個人が多彩な情報の恩恵を享受する環境が必要である。しかし,情報はただ提供されるだけで役立つものではなく,個人がその情報を用い行おうとする目的と合致して初めて役に立つものである。本研究では,情報の十分な量が提案されている状態から,要求に合致したものを探し出し,目的を達成するための要因を決定していくための環境を,「ある要求が定まっているときに,ある状況と知識を仮定して,目的の要因を推定していく」過程とみなし,それをコンサルタントと捉えこのコンサルタント機能の実現を目指した。具体的には以下の研究を行った。1.矛盾解消推論とその関連の研究状況と知識に内在する矛盾を解消するメカニズムを構築し,それに基づいて,コンサルタント機能の基礎となる説明推論を確立した。一般論理プログラムにおける理論を確立し,また,それを拡張論理プログラムで展開している。実際の応用例についても検討した。2.視覚化とヒューマンインタフェースに関する研究コンサルタント機能ヒューマンインタフェースとして,説明推論の過程を視覚化する技法を確立した。円の包含関係を用いて論理プログラムを表現する手法を提案し,同様の手法で推論の過程を表現する手法を提案した。3.分散環境でのコンサルタント機能に関する研究推論を分散環境で展開できる体系を確立した。また,分散環境において,説明推論の過程を視覚化する技法についても検討した。分散環境への応用として,自動並列化コンパイラにおいて自動並列化を支援するためのシステムを説明推論を用いて構築する例を提示した。また,分散環境における矛盾解消推論の応用例を検討した。

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