- 著者
-
内藤 健
- 出版者
- 早稲田大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2002
通常、連続体力学(流体力学)では、数千個程度以上の分子群を巨視的にみて流体粒子と呼んで、その運動を記述している。生命体においそ、例えば、塩基分子の運動をみてみると、塩基の周囲に多数存在する水分子群と相互作用があるので、これらの分子群をひとつの仮想的な"粒子"と考えて、連続体力学によって分析することを試みた。まず本研究では、事前に、以下の知見を得て、それをキーとした。・塩基分子は大別して、プリンとピリミジンである。プリンのサイズはピリミジンの1.5倍程度である.塩基分子以外でも、例えば、細胞サイズにも分布があり、1.5倍程度までサイズに差異があることがある。そこで、サイズ比が1.5付近である理由とそのメカニズムの解明を目指した。その結果、・理論、コンピュータモデルと実験を総合すると、1.5付近が必ずしも最適というわけではなく、1.0〜約1.5の間で単純な優劣はつけにくい.このことが、サイズ比、つまり、分子種の多様性を生み出し、環境変化への対応能力をあげている.・様々なRNA分子の構造の必然性が明らかにされた.RNAの複雑なクローバー構造は、プリンとピリミジン塩基分子のサイズに由来している.・n次のルートnという数列のすべての値が1.0〜約1.5の間にあり、この数列で、生命に見られるサイズ比を表すことができる可能性がある.・この研究で対象としていた微生物研究の中から、80℃以上を好む好熱菌が同レベルの温度で作動する燃料電池で増殖する可能性が見出された。各種燃料電池材料の微生物劣化に関する評価法を提示するといったことなどの成果も生まれた.