著者
佐藤 雅俊
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

廃棄バイオマス資源の一つであるケナフ心材部の有効利用の一つとして、バインダーレスボードの開発について検討し、製造条件、特に圧締温度が高いほど耐水性が向上し、最適条件下では、ユリア・メラミン共縮合樹脂接着剤と同等かそれ以上の性能を有することが認められ、さらに、一年間の暴露試験においても材料の劣化は少なく、バインダーレスボードが耐水性に劣るという概念を覆す結果となった。一方、ケナフコアボードを用いたバインダーレスボードの自己接着機構に関する検討を、化学的手法と物理的手法を用いて実施した。化学的分析結果から、自己接着には、熱によるリグニンの軟化及びリグニンの縮合型構造の形成が確認された。また、カルボン酸類によるエステル結合の生成の可能性も示唆され、このような変化を生ずる要因は、製造時における圧締温度であり、適切な温度条件下において自己接着機構が発現していることが推測された。また、廃木材および竹を爆砕処理したパルプ等の化学分析あるいは走査型電子顕微鏡を用いた分析からは、爆砕によりパルプ表面に析出し遊離したリグニンが自己接着に関与していることが明らかとなり、この結果からも上述したリグニンの関与が明らかとなった。バインダーレスボードの製造条件に関しては、圧締圧力および圧締温度が木質系ボードの製造条件と比較しても差異がないことから既存のボード製造装置を用いたバインダーレスボードの製造が可能であり、今後、各種のバイオマスの有効利用に適用可能と思われる。

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