著者
高橋 真理
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、妊娠期女性の夢(睡眠中にみた夢:以下夢)の特徴を定量的に明らかにするとともに、ストレスフルなイベントと関連する不快な夢に対する認知行動療法の有用性を定性的に検討することである。1)妊婦50名、非妊婦12名を対象に、prospectiveに1週間にみた夢想起の特徴(頻度、夢の鮮明度、夢の内容)について検討した。夢をみた平均日数は、4.8日/週であり、妊婦と非妊婦および妊娠時期別での相違はなかった。また、夢の内容は、「妊娠・出産・赤ちゃんに関すること」、「家族とのこと」、「仕事・職場のこと」、「友人のこと」、「TV・アイドルのこと」、「日常の出来事」、「幼い頃、昔のこと」、「奇異な出来事」のカテゴリーに分類された。さらに、「妊娠・出産・赤ちゃんに関する夢」について、妊娠時期別に夢想起の頻度を比較すると、妊娠初期では多い順に7番目のカテゴリーであるのに対し、妊娠中期は3番目、妊娠末期では2番目であり、妊娠の経過とともに、妊娠、出産、赤ちゃんに関する夢想起の頻度が高まることが示された。また、1週間で妊娠・出産・赤ちゃんに関する夢想起の経験をもつ妊婦の割合は、妊娠初期20%、中期57.1%、末期57.1%であり、中期と末期とが初期よりも高率であったが、想起者ひとりひとりの平均夢数の割合では、中期67.9%に対し末期78.6%であり、妊娠中期、末期には妊娠・出産.赤ちゃんに関する夢を想起する妊婦の割合が増え、また、このような妊婦は妊娠経過とともに妊娠・出産・赤ちゃんに関する夢の頻度も増加することが示された。2)「妊娠・出産.赤ちゃんに関する夢」31を内容別に分類した結果、「母乳に関する夢」、「妊娠による身体的変化に関する夢」、「胎児に関する夢」、「出産に関する夢」、「出産後の赤ちゃんのことに関する夢」の5つのサブカテゴリーに分類された。さらに妊娠時期別にサブカテゴリーの頻度を比較すると、妊娠初期は「胎児に関する夢」であったが、妊娠中期は「「母乳に関する夢」、「妊娠による身体的変化に関する夢」、「胎児に関する夢」、「出産に関する夢」、妊娠末期は「出産後の赤ちゃんのことに関する夢」に関する報告がほとんどを占めており、妊娠経過に伴い妊娠・出産・赤ちゃんに関する夢の内容が変化していくことが示された。以上、本報告書では妊娠期女性の夢に関する定量的な特徴を調査研究の結果に基づき記載した。事例による分析は、報告書に成果を纏めて報告する。

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