- 著者
-
柴田 悠
- 出版者
- 京都大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2015-04-01
全国郵送質問紙調査を実施し、公的サポートである「保育」(保育所への通園)と、私的サポートである「家庭育児」(先行研究によれば親の社会経済地位によってその質は異なる)の、交互作用に考慮に入れながら、それらが成人後の幸福感やその諸要因に与える長期的影響を、保育所通園の傾向スコアを用いた因果推論によって検討した。その結果、「不利な家庭」(社会経済地位:下位1/2)出身の20~44歳回答者では、保育所に通うと(幼稚園のみに通う場合と比べて)、将来、非正規雇用になりにくくなる、有配偶者の確率が高まる、対面交流の頻度が増えるなどの傾向が見られ、さらにそれらの結果として主観的幸福感が高まる傾向が見出された。