著者
中山 寿子
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

小脳登上線維シナプス刈り込みへのミクログリアの関与を検討するため、発達期の小脳皮質からミクログリアを欠落/不活性化させる操作を行い、刈り込みがどのように影響されるかを調べた。まず、生後6日目にクロドロン酸内包リポソームを小脳皮質に注入する実験を行った。その結果、クロドロン酸投与マウスでは、2本以上の登上線維が入力するプルキンエ細胞の割合がコントロールマウスよりも有意に高いという結果を得た。クロドロン酸投与によるミクログリアの除去は抗Iba1抗体を用いた免疫染色により確かめた。次に、ミクログリアの活性化を抑制するミノサイクリンを生後7-11日目に皮下注射する実験を行い、クロドロン酸投与実験同様に、刈り込みが障害されるという結果を得た。一方、クロドロン酸とミノサイクリンの投与を生後11日目以降で行った場合には刈り込みは正常であった。このことから、ミクログリアは生後6-10日目頃の刈り込みに選択的に必要であることが示唆される。ガラスキャピラリーを用いたクロドロン酸投与による脳損傷やミノサイクリンのブロードな薬理作用などが結果に影響する可能性を検討するため、ミクログリアの分化・維持に必須のcsf1rをIba1発現細胞で欠損する遺伝子改変マウス(Csf1r-cKO)を新たに作成して解析した。Iba1-creマウスは新潟大学・﨑村教授と阿部先生から分与して頂いた。Csf1r-cKOマウスでも登上線維シナプスの刈り込みに異常が認められた。刈り込みの異常は、生後12-14日目で既に顕著であり、生後2か月まで持続することも確かめた。上記3つの実験によって、ミクログリアが登上線維シナプスの刈り込みに必要であるという結果を得ることができた。これらの成果は、新学術領域研究「グリアアセンブリによる脳機能発現の制御と病態」第2回夏の(国際)ワークショップおよび第38回日本神経科学大会で報告した。

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発達期小脳におけるミクログリア依存的シナプス刈り込み機構の解明 2015 次に、ミクログリアの活性化を抑制するミノサイクリンを生後7-11日目に皮下注射する実験を行い、クロドロン酸投与実験同様に、刈り込みが障害されるという結果を得た。https://t.co/EPkWL5Hq1V

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