著者
村尾 修
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究プロジェクトでは,まず1999年台湾集集地震の被災地である集集を対象として,復興過程に関して継続的な観測を実施した.そして,その数年間の復興調査データ等を用いて,「空間復興モデル」を提案した.これは被災地の都市空間の復興過程を物的環境の変化すなわち建物の復興状況(被災,瓦礫の撤去,建設中)という視点から記述し,その変化を客観的に示す方法である.そこで得られた知見を活かし,より詳細な建築確認申請データを用いて.地域の復興過程を復興曲線として客観的に示す方法を提案した.さらにこの客観的な指標で示される地域の復興過程を支える社会的背景についても,調査した.その方法としては地域の資料を読み解くとともに,被災者,役人,その他のステークホルダーに対して面接調査を実施した.その成果のひとつとして,集集鎮志を翻訳し,現地の復興過程を理解するための情報として利用した.そして面接調査や資料など集集の復興過程を読み解き,復興のエスノグラフィ作成のための方法論としてまとめた.これは,地域の復興を包括的にとらえ,工学的な要素と社会学的要素を盛り込んだ復興研究のアプローチであり,本プロジェクトで実施した他地域の復興報告書等を活用した.復興過程を表す指標構築のための研究と平行して,復興をアーカイブズとして記録するための研究も行った.そのひとつとして,筆者がモニタリングしてきた復興の記録を都市史の中でどのように位置づけたらよいのかを考察し,復興デジタルアーカイブズの意義についてまとめた.そして,その考え方の一部を集集を対象として具体化(GoogleEarthを用いた復興デジタルアーカイブズ)し,方法論としてまとめた.

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こんな研究ありました:台湾集集鎮における復興過程の構造化と世界の都市復興アーカイブに関する研究(村尾 修) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/16401022
こんな研究ありました:台湾集集鎮における復興過程の構造化と世界の都市復興アーカイブに関する研究(村尾 修) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/16401022
こんな研究ありました:台湾集集鎮における復興過程の構造化と世界の都市復興アーカイブに関する研究(村尾 修) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/16401022

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