著者
石川 俊平
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

がん細胞はそれ単独での生存は難しく、生体内では常に周囲の間質細胞からの支持シグナルを受け、また逆にがん細胞自身がシグナルを出して生存に適した間質細胞を誘導している。申請者はこれまでにマウスに移植したヒトがん細胞のトランスクリプトームシーケンスから、マウス・ヒト由来の配列の分離によりがん細胞・間質各細胞由来のシグナルとその相互作用のプロファイルを行う技術を確立してきた。本申請では多様ながん種について患者がん組織から直接樹立したPDX(Patient-Derived Xenograft)を体系的に解析し、がん細胞と間質細胞との相互作用の全体像とその多様性をゲノムレベルでの解明を目的とする。平成29年度は、前年度に引き続きデータベースのアップデートをはかると共に様々ながん種のPDXのインターラクトームプロファイルを体型的に解析し、がん種間及び同じかん種でも個体間のがん-間質相互作用の取り得る生物学的レンジを把握し、個別の症例に特徴的かる重要な相互作用の同定を行なった。特定のがん腫で他のがん腫と大きくことなる、がん-間質相互作用が見つかり、治療につながる可能性のあるものも見つかった。またマウス間質側は線維芽細胞、血管内皮、血球細胞など組成がヘテロであるため、それぞれの組成のプロファイルを個別に取得して、トランスクリプトームプロファイルから間質側の細胞組成を推定するアルゴリズム開発を行なった。

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