著者
高橋 徳幸 伴 信太郎
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

医師の共感的態度醸成の必要性が叫ばれるなかで、医師の共感的態度は経年的に低下することが定説となっている。しかしこれは「患者の視点からの量的検証」を経たものではない。よって本研究は、我々が開発した患者の視点から医師の共感を評価する質問紙票であるCARE Measure 日本語版(Aomatsu et.al, 2014)を踏まえて作成された、医師の診療の質を患者の視点から評価する尺度C Q I - 2 の信頼性・妥当性検証を行うことを目的としている。それに先立ち、CARE Measure日本語版の評価者間信頼性に関して明らかにされていなかったことから、本研究で検討を行っている。その結果、評価者間信頼性を検討するために40枚程度の質問紙票を回収する必要があることが明らかになった。これは過去に他国で検討された数値と比較しても妥当な値であり、日本語版CARE Measureの汎用性を高める意義がある。一方、本研究では医師の共感的態度の経年的低下という定説に対して、質的探索によるアプローチも行っている。すなわち、既に我々は医学生・初期研修医への質的探索により「共感の量的減少ではなく質的変化」の可能性を示した(Aomatsu et.al, 2013)。これを踏まえて、本研究では後期研修医・指導医についても共感に関する認知構造を質的に探索し、共感の認知構造に関する新たな経年的変化モデルを構築することを目的としている。これまでに、患者との信頼関係構築のためのコミュニケーションスキルとして共感を特に重視する総合診療科に焦点を当て、そこで研修をする後期研修医(専攻医)に対して、2017年度は質的探索を行った。その結果、専攻医は臨床経験によって認知的共感を獲得し、それを主に用いながらも、専攻医自身の出産といった非職業的経験によって感情的共感をも行っていることが明らかになった。

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伴信太郎先生の現在の研究 診療の質評価と共感への認識探索を通した医師の共感に関する自己評価再検討 本研究では医師の共感的態度の経年的低下という定説に対して、質的探索によるアプローチも行っている。 引用元… https://t.co/4qiVVKeX6k

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