著者
片平 正人
出版者
横浜市立大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

Musashiタンパク質のタンデムな2つのRNA結合ドメインと標的RNAの複合体に関して、構造解析を行った。まずRNAとの結合状態にあるMusashiの2つのドメインの構造を、NOE等に基づいて決定できた。次に2つのドメインの相対配向を、残余双極子結合に基づいてイ決定した。さらに長さを変えた様々なRNAを利用する事でMusashiとRNAの間の分子間NOEの同定に成功し、それに基づいた複合体の構造決定を進行させた。常磁性緩和効果による惣ングレンジの構造情報の取得も試みた。テロメア配列のDNA/RNA結合タンパク質hnRNPA1のタンデムな2つの核酸結合ドメインが、テロメアDNA及びテロメレースRNAとどのような様式で相互作用するのかを明らかにした。これにより同タンパク質によるテロメレースのテロメアDNAへのリクルート機構に関する構造学的な基盤が得られた。またRNAi法を用いてhnRNPA1タンパク質及びhnRNPDタンパク質をノックダウンした細胞におけるテロメア長を測定する事で、両タンパク質の機能に直接迫った。ヒトのテロメアDNAが生理的なイオン条件下(カリウムイオンに富んだイオン条件下)において形成する特異な4重鎖構造の決定に成功した。これまで考えられていたものとは異なる新規構造が見出され、分子内の構造体でありながら、3本の鎖が平行に配置され、残り1本のみが反平行に配置されていた。

言及状況

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こんな研究ありました:hnRNP A1/D、Musashi及びアプタマーによる遺伝情報制御の分子基盤(片平 正人) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/17026011

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