- 著者
-
笠原 禎也
後藤 由貴
長野 勇
- 出版者
- 金沢大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2005
科学衛星上で自律的にデータの選別・圧縮を行なうコンパクトかつ処理負荷が軽い超小型デジタル電波受信器の基礎技術について研究した。具体的な検討内容と成果は以下の通りである。1計算負荷の見積もりと機上のデータフローの実現評価手法の検討電磁界センサで得た広帯域波形データをCPU上で周波数解析するための最適な処理手順を検討し、現状の宇宙機用CPUで処理可能な最適手順を示した。特に低周波数帯での高周波数分解能スペクトルを、低計算負荷・低消費メモリで機上処理する方法を提案した。2各種データ圧縮アルゴリズムの既存計測データを用いた比較研究と定量評価「あけぼの」「かぐや」衛星による実観測電磁波データを用い、衛星上で取得・生成したスペクトル・波形双方について効率的なデータ圧縮法の検討を行なった。限られたテレメトリ容量下で、可逆圧縮と単純平均の併用より、科学的意義を損失なわない低歪みの非可逆圧縮法を提案した。3データ選別・自動抽出機能に関する技術的課題の検討デジタル電波受信器に実装した自動データ選別機能の性能を検証し、適切な選別基準の設定により限られた伝送帯域で有用データが効率的に取得できることを示した。また雷起源ホイスラを効率的に検出・分散値を求める方法を考案した。