著者
大戸 茂弘
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2017-06-30

野生型WTマウスまたはDrug A受容体KOマウスを行動解析装置に7日間飼育した後、明期を8時間前進させ明暗周期サイクルの変化に対する行動シフトに及ぼすDrug A受容体欠損の影響を検討した。Drug A受容体欠損マウスでは、明暗周期変動に対する行動リズム変化が野生型と比較し遅延していた。両マウスを行動解析装置に7日間飼育した後、明期を8時間前進させ、その後、恒暗条件下で飼育した際の行動の変化に及ぼすDrug A受容体欠損の影響を検討した。Drug A受容体欠損マウスでは、恒暗条件下の行動リズム周期が野生型と比較し長いことからSCNに存在する時計遺伝子の発現リズムに何らかの機能的変化が生じていると考えられる。両マウスSCNの時計遺伝子をIn situ hybridization法を用い測定した結果、時計遺伝子のCry1の発現リズムが変容していた。両マウスを行動解析装置に7日間飼育した後に、常に照明をOFFにした恒暗条件下で飼育した自律的行動リズムの位相と周期に及ぼすDrug A点眼時刻の影響を検討した。両マウスにDrug AをCT14に点眼し、自律的行動リズムに及ぼす影響を確認した結果、WTマウス行動リズムはDrug AのCT14点眼により位相が後退したが、Drug A受容体KOマウスにおいてはその効果は認められなかった。恒暗条件下の行動リズムに及ぼすDrug A点眼により行動リズムの周期が変容したことから、時計中枢SCNの時計遺伝子Per1、Per2発現量に及ぼすDrug Aの影響を検討した。野生型ではDrug A点眼後にSCNのPer1、Per2の発現量が変容したが、Drug A受容体KOマウスでは影響しなかった。恒暗条件下飼育マウスに光を照射する条件またはDrug A点眼後に光照射を併用する条件下、SCNの時計遺伝子発現量に及ぼすDrug A受容体ノックアウトの影響を検討した。野生型マウスでは発現量が変化していたが、Drug A受容体KOマウスでは顕著でなかった。

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