著者
塩田 洋 江口 洋 四宮 加容
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

角膜ヘルペスとは単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染による角膜疾患であり、再発を繰り返す扱い難い眼疾患の一つである。その治療薬には現在アシクロビル眼軟膏が第一選択薬として使用されている。本研究は角膜ヘルペスに対し水溶性でかつ安全な治療薬の開発を試みた。1)DNAポリメレース遺伝子発現の抑制を狙いDNAポリメレースを規定する遺伝子配列をよく検索し、HSVに特徴的な21塩基配列の部を選択し、二本鎖RNA (dsRNA)を合成した。これは21塩基対からなるsiRNAであり、理論的にはDNAポリメレース遺伝子発現を抑制する。角膜ヘルペス感染防止実験として、兎角膜にHSVを接種し1時間後から、A群はsiRNA点眼液を、B群は対象として溶解液を点眼し、HSV接種48時間後の病像を点数方式で比較判定した。残念ながら両群とも樹枝状潰瘍を形成し、siRNA点眼液には感染防止効果は認められなかった。次に角膜ヘルペス治療実験として、兎角膜にHSVを接種し48時間後から、C群はsiRNA点眼液を、D群は対象として溶解液を点眼した。5日間の治療後に両群の病像を点数方式で比較判定した。残念ながら両群とも地図状潰瘍を形成しており、siRNA点眼液に治療効果は認められなかった。2) carbocyclic oxetanocin G (C. OXT-G)点眼液の治療効果我々が開発中のC. OXT-G点眼液と欧米で市販されているtrifluorothymidine (TFT)点眼液との治療効果を比較した。兎角膜にHSVを接種し樹枝状潰瘍の出来た48時間後から0.1%C. OXT-G点眼液群、1%TFT点眼液群と生理食塩水点眼群に分け4日間治療した。その結果、C. OXT-G点眼液とTFT点眼液は同等の優れた治療効果を示した。研究中のC. OXT-Gは、角膜ヘルペスの新しい水溶性治療薬になり得るものと判断した。

言及状況

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こんな研究ありました:RNA 干渉を応用した角膜ヘルペスの新しい治療法の開発(塩田 洋) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/18591923

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