著者
粟谷 佳司
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本年度も昨年度から引き続き、表現文化と市民運動が交差する領域に関して、文献・資料調査と聞き取り調査により分析を行った。本年度の研究では、昨年度から継続している、鶴見俊輔の文化・芸術論と市民運動に関わる活動の表現文化への影響について、文献・資料による分析を行った。併せて、市民運動と交差した表現者たちの実践について、1960年代後半の社会状況から1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)での活動につながる表現や言説を、関連する著作や雑誌(『美術手帖』『デザイン批評』『うたうたうた フォーク・リポート』を中心とした美術、ポピュラー音楽関連雑誌)の内容分析により検証した。研究では、表現者たちの活動が、いかに1960年代後半の社会状況と交差して作品や著作に実践されたのかということを、表現文化の社会への関わりという観点から考察した。また、昨年度に行った「ベ平連」の関係者への文化実践に関する聞き取り調査の分析と並行して、本年度も片桐ユズル氏への聞き取り調査を行った。調査では、片桐氏が編集・発行していたミニコミ(『かわら版』)や著作の内容への聞き取りを中心に、市民運動という空間が著作や表現活動に与えた影響について考察した。特に、鶴見や「ベ平連」の関係者との交流が、表現活動における着想の一つとなっていたことを検証した。また、9月には片桐氏の紹介によりジェームス・ドーシーJames Dorsey氏(ダートマス大学)と京都で面会し、1960年代後半の日本のフォークソング運動と音楽文化に関して意見交換を行った。研究業績として、本年度は学会報告(日本ポピュラー音楽学会第31回大会)、公開講座での報告(朝日カルチャーセンター芦屋教室)、著書(共編著)の出版を行った。

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1960年代後半の日本における表現文化と市民運動の交差に関する文化論的研究 https://t.co/wF2KzcAVO5
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