著者
芦谷 政浩
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究課題では、オルタナティブ投資市場の中でも特に公営賭博市場に着目して、「市場の厚み」と効率性の関係を分析している。本年度は、昨年度までに加工を進めていた地方公営競馬のデータを分析して、論文「Sales volume and efficiency of the Japanese racetrack betting market」を執筆した。この論文では、日本の地方競馬場で2012年4月27日から7月26日までの3か月間に開催されたレースのうち、13頭以上出走のレースと払戻馬券があったレースを除外した3270レースのデータを用いて、市場の取引量と効率性の関係を検証した。馬券市場が効率的であれば、同じ払戻条件・払戻金額の馬券には同じ価格が付くはずである。そこで、「同じ払戻条件・払戻金額の馬券の間での価格差が小さいほど、馬券市場の効率性が高い」と定義して、様々な仮説を検証した。効率性を測る尺度を3種類提示し、それぞれについて回帰分析を行った結果、3種類の尺度のいずれを用いても以下の4点が成立することを発見した。(1)出走頭数が同じなら、売得金額が大きいレースほど、市場の効率性が高い。(2)売得金額が同じなら、出走頭数が少ないレースほど、市場の効率性が高い。(3)売得金額と出走頭数が同じなら、出走時刻が早いレースほど市場の効率性が高い。(4)売得金額が大きいレースほど、市場の効率性が高い。これらの結果が他の公営賭博のデータについても当てはまるのかどうかを検証することが、最終年度の研究課題である。

言及状況

Twitter (2 users, 2 posts, 1 favorites)

収集済み URL リスト