- 著者
-
上間 陽子
- 出版者
- 琉球大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2018-04-01
本調査研究は、沖縄県において、10代で子どもを出産した女性に対して、その選択に至った理由や背景を、インタビューによって聞き取ることを企図してなされた調査である。聞き取りにおいては、彼女たちの学校体験、ピアグループの有無・形成過程、定位家族、生殖家族の状況、本人の自己アイデンティティの形態について聞き取りをすすめるものである。初年度である一昨年の実施においては、10代の女性と、20代の女性では、世代的な違いがみられており、それはコミュニティ形成の仕方と、それを裏付けるように学校体験の差異というものが少なからず影響を与えているように思われた。初年度は49名の方から聞き取りを実施することができたが、二年目を迎える昨年度はあらたに16名の方から聞き取りをすすめ、現時点で、聞き取りデータ数は65名となっており調査の進行としてはまずまずだと思う。今年度までの65名のデータから明らかになったのは、出産に至るまでと出産後の状況の厳しさに、原母との関係とピアグループとの関係があるということである。また、出産によって原母との関係が変容しているケースがあり、その点に、彼女たちが出産を積極的に進めたい多くの理由が集中している。またピアグループの形成が学校・地元規定的なのか否かが、出産後の状態にかなり影響をあたえている、ということである。今年獲得予定のデータ獲得数は15名になるが、80のデータをベースにして整理をすすめたい。今年度のデータでは、支援を受けている女性が幾人か追加されているが、支援系の暴力も告発されている。その点について、どうしてそうした暴力がおこるのかについても、一定のデータを蓄積することができた。なお、こうしたデータの性質上、法曹界並びに医療従事者との連携も増えており、それゆえ多忙を極めることになったが、最終年度においても、こうした連携を進めながら、データの獲得にあたりたい。