著者
大橋 崇行
出版者
東海学園大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

2019年度に実施した研究は、①資料調査とデータベース化、②「少年講談」についての調査と研究、③2018年度の研究内容を公にすることの3点である。資料調査については、静岡大学図書館所蔵の貸本屋資料調査を継続するとともに、ケンブリッジ大学、マンチェスター大学が所蔵する関連資料について調査を行った。静岡大学図書館の調査は2019年度で終了し、データについては所蔵者との合意のもと、国文学研究資料館の「近代書誌・近代画像データベース」に委託して公にしている。またこの調査の成果ついては、2020年度に公開研究会を開催し、広く一般に周知する予定である。ケンブリッジ大学で調査した資料は学会発表の際に用いた他、マンチェスター大学の所蔵する資料は国文学研究資料館で公開されている「コーニツキー版欧州所在日本古書総合目録」データベースを修正する形で、社会に還元できるように交渉を進めている。「少年講談」についての研究は、研究の目的として掲げた「②国語教育と「少年小説」とはどのように関係したのか」という問題に関連するものである。この「少年講談」は、実際に講談として講演される場合もあったが、講演を前提としない「書き講談」として小説と同じように受容されていたものであり、「少年小説」のジャンルの一つであると言える。内容については、2019年9月の『昭和文学研究』第79集に査読付きの研究論文として公にしたほか、一部を 2019年11月30日に明治大学和泉キャンパスで行われた第11回時代考証学会シンポジウムでコメンテーターとして登壇した際に公にしている。また、昨年度実施した西條八十の少女小説と少年小説との差異についての研究を進展させ、2019年7月4日にモナッシュ大学で行われた豪州日本研究学会(JSAA)の国際研究集会でパネル発表の形で報告した他、より具体的化したものを、国内学会で発表している。

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@gishigaku これの延長線上のものかな? https://t.co/32oh8PrU9P って、これに科研費出るの?

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