- 著者
-
高木 駿
- 出版者
- 一橋大学
- 雑誌
- 研究活動スタート支援
- 巻号頁・発行日
- 2019-08-30
近代まで美の欠如と見なされてきた「醜」は、現代に入り美しくない芸術作品の登場とともに、作品を構成する一つの要素として積極的意義を担わされるようになった。現代美学は、醜に崇高さを惹起する効果があることを解明したが、これにより、すべての種類の醜さが明らかにされたわけでも、ましてや醜の体系的理解が得られたわけでもない。そこで、本研究は、「醜の美学」の体系化に向け、第一に、醜さを類型化し、第二に、別種の醜さの体系性を明らかにする。そのために、18世紀ドイツの哲学者I・カントの美学を用いる。というのも、カント美学では、不快の感情に基づいて、種々の醜さを分類し、それらの体系性を考察できるからである。