- 著者
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後藤 正道
圓 純一郎
- 出版者
- 鹿児島大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2008
ブルーリ潰瘍は、抗酸菌M.ulcerans感染による痛みのない皮膚潰瘍であるが、病変に痛みがない原因は不明であった。M.ulceransが産生する毒性脂質mycolactoneをマウス足底に注射すると、局所に知覚過敏の後に知覚鈍麻がおき、末梢神経にシュワン細胞の膨化と壊死が起こった。また、培養シュワン細胞にmycolactoneを投与すると、シュワン細胞の壊死とアポトーシスが起こった。さらに、ヒトの治療前後の皮膚生検組織でも神経の変性所見を見出した。これらの研究結果から、ブルーリ潰瘍の無痛性はmycolactoneの細胞毒性に起因することが明らかになった。