著者
片山 一道
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

京都市の伏見区、かつての伏見城城下の西部にあたる場所で江戸時代の廃寺の墓地(伏見城跡遺跡)が調査でされ、約630人分におよぶ古人骨資料(伏見人骨資料)が発掘された。この資料を骨人類学や骨考古学的の方法で分析して、江戸時代人京都町民の顔立ちや体形などの身体特徴、平均寿命や人口曲線などに関する人口学的特徴、歯疾患や骨梅毒疾患などの罹患率を明らかにするとともに、主要なタンパク質摂取源を推定する食性分析、人骨の鉛濃度分析などを実施した。成人の平均身長は男性が158cmで女性が144cmほどと短躯であったこと、丸顔の人が多かったこと、出生児の平均余命は男性が40歳弱で女性が30歳弱ほどと短命であったこと、虫歯と梅毒の罹患が著しく高率であったこと、淡水産や海産の魚介類をタンパク質源として利用していたことなど、すくなからずの特記すべき研究成果を達成できた。

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