著者
森永 由紀 尾崎 孝宏 高槻 成紀 高槻 成紀
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

遊牧の知識の客観的検証のために、モンゴル国北部のボルガン県の森林草原地帯で気象学的・生態学的・人類学的調査を実施した。一牧民の事例ではあるが、谷底にある夏営地と斜面上の冬営地の気温差から、盆地底の冷気湖の上にある斜面温暖帯に冬営地が設置されている可能性を指摘し、家畜にとって冬営地の気象条件が夏営地のそれより、冬季にいかに有利かを体感気温の観点から検証した。また、家畜の群れを移動群と定着群に分けて体重測定を実施した結果から、移動する場合のほうが体重増加に有利であることを示した。さらに、聞き取り調査により、調査地域が都市近郊に形成されている牧民集中地域であり、現在のモンゴル国における典型的な牧畜戦略のひとつとして、都市近郊に居住することで現金収入を最大化させようとする志向があることを明らかにした。

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こんな研究ありました:モンゴル国における遊牧の気象学的・生態学的検証(森永 由紀) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/20500900

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