- 著者
-
中野 正昭
- 出版者
- 明治大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2008
本研究では、大正期に流行した浅草オペラがどのような舞台だったかを、オペラ座の検閲台本を基に考証した。従来、浅草オペラは西欧オペラを<簡略化>したものに過ぎないと考えられてきた。しかし、上演台本を調査・分析した結果、実際には、台詞や場面を新たに書き加えたり、興行法に従うために一つのグランドオペラ作品を複数回に分けて上演するなど、当時の日本の観客が既知の演劇文化の文脈の中で享受できるように工夫を凝らした、日本独自の演劇として<再構成>されたものであることを、具体的な作品の上から明かにした。