著者
渡辺 明
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究では、屈折率が2を超える超高屈折率ポリマーの創製を目指し,主鎖がGe-Ge結合のみからなるハイパーブランチ(分岐)型ゲルマニウムポリマーにおいて,その主鎖構造や側鎖の有機置換基構造の分子設計・合成を行い,そのポリマー構造と屈折率との関係を明らかにする。さらに,そのポリマーの塗布薄膜を前駆体として,レーザー光照射や加熱処理による化学構造変化を用い,無機ゲルマニウム系薄膜への変換により,さらなる高屈折率化を行うことを目的とした研究を行った。ハイパーブランチ(分岐)型ゲルマニウムポリマーの合成は、四塩化ゲルマニウムを出発原料としてMgを用いたGrignard反応と有機臭化物を用いたキャッピング反応によって行った。これによって、種々のアルキルおよびアリール基を有するハイパーブランチ型のGe-Ge骨格を有する有機ゲルマニウムナノクラスター(OrGe)を合成した。OrGeのスピンコート薄膜は、加熱によって300℃付近から有機側鎖の脱離を伴う無機ゲルマニウム化し、さらに500℃での加熱によって結晶性ゲルマニウムへと変換されることが、顕微ラマンスペクトルやXPSスペクトルによって明らかにされた。これによって、屈折率が2.5を超える高屈折率薄膜を形成することができた。また、高屈折率のGe微細パターンを、レーザー直接描画法によって形成することが可能であった。さらに、干渉露光法やナノインプリント法によって、高屈折率微小構造体を形成し、波長フィルターとしての機能を得ることができた。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな研究ありました:ハイパーブランチ型Ge-Ge鎖からなるゲルマニウムポリマーの超高屈折率特性制御(渡辺 明) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/21656157

収集済み URL リスト