- 著者
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養父 佐知子
- 出版者
- 昭和大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2009
本研究は、リウマチ様関節炎を自然発症するHuman T cell Leukemia Virus Type I (HTLV-1) 遺伝子導入(Tg)マウスに核酸・核タンパク(NP)1.2%含有餌を3ヶ月間摂取させた。その結果、関節肥大、組織の増悪抑制や、NO酸化代謝物(3-ニトロチロシン)の低下が認められた。さらに、電子スピン共鳴法(ESR)を用いてNPが一重項酸素およびNO消去能を示すことをin vitroの実験で明らかにした。しかし、生体内に摂取された後のNPのフリーラジカルに対する作用は不明である。そこでリポポリサッカライド(LPS)誘導性肝傷害モデルマウスを作製しNP摂取の作用を調べた。その結果、NP摂取は過剰産生されたNOを直接消去するだけでなく、クッパー細胞の活性化抑制やiNOSタンパクの発現抑制により肝傷害を改善することが明らかとなった。