- 著者
-
武田 将明
- 出版者
- 東京大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2009
18世紀初頭、英国小説は、匿名を用いて実録の体裁を取ることで、娯楽的なロマンスから現実的な文学様式を新たに作り出すことに成功した。しかし、事実によって虚構性を抑圧することは、小説の可能性を狭めることにもつながった。そこで18世紀中ごろから、この新様式の特徴を損なうことなく、いかに巧みなプロットを構築するかという試みがなされ、これと同時に作者の名前が表面化する。本研究は、18世紀英国小説におけるリアリズムと物語性との相互作用を、匿名性の問題と関連づけて考察したものである。